コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

仲良し軍団?いいえ秘密結社です ( No.32 )
日時: 2012/06/19 17:33
名前: 生卵。 ◆l5afVy7QjU (ID: dD1ACbVH)

■案外早くついたね。

「うーん、思ったより結構早くついたな」
「だな」
「そうだね」
「ねー!」
「ああ」

皆が一斉に返事をするとなぜだか親の気持ちがわかるような気がした。
普段はそうでもない人たちが若干子供のようにも見えたからだ。
ちなみに東京を出てから今役50分。一時間もたっていない。

「旅館はここから徒歩30分らしいしもうすぐ早朝バス来るからそれに乗って行こうよ」
「そうだな」

そういってバス停で休んでいると銀乃寺がやっとバケツを顔からはずした。
快適な車内とは違いここは暑かったのだろう。汗で髪の毛が頬についている。

「それにしても海かあ…」

欠伸をしていると遠くでバスが走ってくるのが見えた。
それを見つけたのか夢霧は指を差してバス来たよ、と皆に教えていた。

「旅館までバスで10分だって、早いねえ」
「そうだな…ってお前どうした?」
「何が?」
「お前が何も食ってないなんて…」

そう、夢霧が何も食べていないのだ。
それには弟の霧斗以外が顎を外してしまうんじゃないかと言う位口を開けて驚いていた。

「姉さんバスの中で何か食べるとすぐ酔うんだよ」
「それはバスの乗る前に食べ過ぎたから、とか言うことじゃないのか?」

首をかしげる朱音に馬鹿だとでも言いたげな表情を向けたがまた暴れられては困るため平手で霧斗の顔を隠し朱音に見えないようにした。

「もし層だったら姉さんだって自重するだろ、だからバスの中では食べてないんだし」
「ああそうか」

始めてこの二人の喧嘩にならない会話を聞いたような気がした。
銀乃寺と紫は安心したようにほっと胸をなでおろした。

そうしているとバス内のアナウンスが流れた。
紫たちが降りる場所だ。

「そろそろだな」
「ういしょ」

そういうと降りる準備なのか夢霧はお菓子を手に装備しだした。