コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

仲良し軍団?いいえ秘密結社です ( No.36 )
日時: 2012/06/29 16:27
名前: 生卵。 ◆l5afVy7QjU (ID: jJL3NZcM)
参照: エピソード5.

■ボール注意報(前編)

青い空、白い雲。そしてその下に広がる海、
連休の為少し人が多い気もしたがお盆当たりと比べると随分と少なくも感じた。

「それにしてもさあ夢霧…お前またなんか食ってんのな」
「そりゃあまあね、バスの中で我慢したんだからこれくらい許されなくちゃ」

日陰で体を休ませながらもむしゃむしゃと物凄い勢いでかき氷を食べていく夢霧、彼女の横にはもう20杯以上有るだろうと思われるかき氷のゴミが積み重ねられていた。

「あーちゃんが来るまでは別にいいよね」

そういって再び食べるのを開始する。
朱音は昔学校の授業で水着を着たことが有るくらいで普通の水着を着たことが極端に少ないらしく皆は10分以上待っていた。

「とりあえず銀ちゃん、流石に海水浴でバケツは不味くないか…?」
「そうかな?だったら外すね、息ができるかなと思ったんだけど…」

少し落ち込んだようだったがバケツを頭からかポリと外して苦笑いをしている。

「遅くなった」

横からは朱音の声が聞こえたため振り返ると彼女は競泳水着を着ているといった少し場違いにも感じる姿をしていた。

「おい朱音、お前その水着着るのにそんなにかかったのか?」
「他の水着も持って来ていたのだが、着れなくてな」

その時のことを思い出してか自然と眉間にしわが寄っている。
話によると従業員にも着れるか尋ねられるほどだったそうだ。

(まあこいつはこういうやつか…しょうがないな)

そう割り切ることにした。
ちょうど夢霧もカキ氷を食べ終わったらしくカラフルな水玉がプリントされた浮き輪を抱えて海へと走って行った。

「ねえねえ、海って美味しいかな?」
「姉さん海は辛いらしいぜ」
「へえ…」

そんな会話をしながら話している2人の姿はまるで子供だった。
しかしそんなことを霧斗や夢霧に言えば嫌がらせをされるに違いない。

そんなことを変えながら海をボーっと眺めている紫の頭に軽い衝撃が走った。

「痛っ」

片手で頭をさすりながら横を見るとぷかぷかとボールが浮いていた。
その先にはニヤニヤと嫌みな笑みを浮かべた夢霧と霧斗が立っていた。

「お前ら何で俺ばっかりそういう待遇にさらすんだよ!」

ふてくされたような表情をしながらも落ちたビーチボルを拾い上げ二人に軽く投げ返した。

「そんなことは置いといて紫やっぱり目付き悪いよね」

自分の質問がスルーされたことは不快だったが二人の性格上しょうがないものだった。
むっとした表情の紫に特に謝ることをせず霧斗が投げたボールは哀しいことに、朱音の頭部にhitした。

数秒してからゆっくりとこちらを振り返った朱音の顔は明らかに怒気を含んだものだった