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09　東咲先生side


「おまえ、山口のこと好きなんだろ？」


その一瞬、新里の顔が凍った。
そして、場も凍った。
周りには誰もいない、夜の町はずれ。
夜の冷たい風が二人の間を通り抜けた。







「…先生」


新里は数分後やっと口を開いた。
「なんだい？」そう言いかけた瞬間


「！！？？」


左頬に焼けるような痛み。
気づけば


「んにゃあ！！？？」←悲鳴


ふっとばされていた。
ドスンッと言う音とともに、体を地面に打ち付ける。
頭は混乱状態。
ふっと頭をよぎる、不良高校生が甲子園を目指す青春ドラマ。
画面の中では、高校教師が生徒たちに囲まれて「お礼参り」、殴られていた。


僕が、あの教師のようになるなんて…


不良(新里)が僕の前に…
殺られる…！！
っと思いきや、そんな気もなく手を差し伸べてきた。

そうだよな。流石にあれはドラマだし！！


「…すまん、新里」

「…いえ。私も興奮して…ごめんなさい。…だけど」


新里は、首をつかみ


「誰かに言ったら…命はないから！」


それを捨て台詞に、去っていく新里。
僕、東咲義人。23歳。
初めて、子供に恐怖を抱きました…。