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- Re: ▽cram school story *塾ヲ攻略セヨ!!* ( No.4 )
- 日時: 2012/06/23 20:03
- 名前: 神崎仁 ◆bbWfSKYEhU (ID: z8eW1f9u)
03 漓玖side
「…じゃあ、授業を始めます」
授業開始前から疲れ果ててしまった、先生。
先生はホント、頑張って作った笑顔を浮かべ教壇に立ち
「今日は!!」
ん…?
今…?
「先生…“こんにちわ”じゃないんですか?」
という生徒の質問に、先生はチッチッチと人差し指を振る。
「“こんにちわ”の語源は“今日は”だから、このイントネーションの方が正しいのさ!!」
「………」
皆、完全に引いている。もはや、ドン引きの域を越している。
そのことに気づかないのは、先生ただ一人。
「あっ!僕の名前は、東咲義人と云うので!よろしくお願いします」
東咲先生は黒板に大きく「歴史について」と書き始めた。
私たちの学校は3年生で歴史をやる。結構珍しい。
「じゃあ、室町やろうか」
教科書を開くと、いきなり
「足利義満が造った、建造物は?はい、山口」
あてられた曉夜は、少し考え口を開いた。
答えを言うのかと思ったら
「先生。足利義満自身が、汗水たらして造ったんすか?」
はぁ?
「なわけないじゃん、バカ」
私が冷たく言うと、東咲先生がいきなり笑い始めた。
狂った?
壊れた?
初日で?
バカじゃん。
今のを曉夜が聞いたら「お前、さり気なく失礼だぞ」というだろう。
さり気なくもなく、失礼だ。
「先生の言い方が悪かったな!じゃあ、“足利義満が作らせた建造物は?”ならどうだ?」
「わかりません」
間髪入れずに答えた。
分からないんじゃなくて、考えてないんでしょ?
「正解は“金閣”!はい、答えられなかった山口はその場で立つ!」
「えぇ!?」
不満を漏らしながらも、渋々立つ曉夜。
「山口は僕がほかの人を当てたとき、その人より早く答えることができたら、山口が座り、答えられなかった人は立つ。その繰り返しな!
その名も“友情破壊ゲーム”」
名前、暗っ!!
「じゃあ、次行くぞ…」
結局、そのまま立っていたのは曉夜。
曉夜は特に気にすることもなく、笑っていた。
同じく、先生も。
この先生…もぅ、なんなの!!?? 意味不明!!
今日から始まった、おかしな先生との生活。
はぁ。先が思いやられる…。