ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

05.漓玖side


「…こんにちわ」


いつも通り、塾に入る。
が、いつも通りじゃないのが…


「あれ？どうしたんだい？　不のオーラがすごいぞ？」


なんなんだよ…　この先生は…。
生徒がこんなにも暗いのに…　普通に話しかけてくんなよ。


「先生には関係ないです」


またまた言ってしまった、冷たい言葉。
言ってしまうたびに、心は冷たくなっていく。
自分にも、相手にも冷たくなっていく…。



「先生にはよく分からないけれど、言いたいことあるなら言えよ？
　僕に対してだけじゃなくても、誰に対しても」



言いたいこと…。
いっぱいある。　曉夜にも皆にも。
あるけど…言えるわけないじゃん。
今迄、こんな性格の私が簡単に言いたいこと言えるわけない。


「……」


先生の言葉に返事を返すこととなく、私は教室に向かった。
何も返せなかった。　言えなかった。