コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐ ( No.105 )
日時: 2012/11/18 11:35
名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)

第六話Ⅶ*ライバルは突然に


「きょ……んち」

京が,キス……した。
いや,正しくは,キスされた。

一日,陰からずっと京と友架の様子を見ていた美湖はショックを受けた。

「美湖ちゃん……」

壱知がそっと美湖の名を呼ぶ。
美湖の頬に透明なものが流れ,その雫は空中にすいこまれていった。


「帰る……」

美湖は歩き出した。

壱知はその重い背中をじっと見つめることしかできなかった。






「ごめん……ね」

キスの直後,友架は呟いた。京はいち早く状況を理解し,顔を背けた。

「じゃあな」

友架の方を見るわけでもなく,京は重い足取りで出口へ向かった。





「おい,京」

出口を求め,しばらく歩いた京は足を止め,顔を上げた。
その京の顔は,すぐに驚きの表情に変わる。


「お前……い,壱知か……?」