コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐ ( No.124 )
日時: 2012/11/18 11:41
名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)

第七話Ⅰ*君に


気が付けば,友架が引っ越して1ヵ月あまりが過ぎていた。

向日葵も種だけを残し,散った。
朝の冷たい空気が部屋中に溢れていた。


「行ってきます」

京は,またいつものように玄関を出る。
さっと玄関を潜り抜けていく風に少し身震いした。




「美湖ちゃーん」
「むぐぅ……」
「今日もまたお寝坊ですかー」

明苑寺さんが美湖を呼ぶ。
美湖は寝返りをうち,しばらくして起き上がった。


「おはようございまー……す」
「こらこら,そのはだけた浴衣をどうにかしなさい。おじさん,目のやり場に困るから」

明苑寺さんが苦笑する。
美湖は,肩まで落ちてきていた浴衣をそっと直した。



「行ってきまーす」

40分前に京がくぐった玄関を出て,美湖はゆっくり学校に向かって歩いて行った。