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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 向日葵の破片。 ‐Himawari No Kakera。‐ ( No.130 )
- 日時: 2012/11/18 11:44
- 名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)
第七話Ⅲ*君に
「……壱知って、事故の……」
「そう。彼は私の幼馴染でね、二年前に事故にあってから、ずーっと眠ってるの」
侑は体を回転させ、何か言いたげな目で美湖を見た。
「あなたが知ってるってことは、やっぱり……いっちゃんは霊になってるんだ」
侑の目が曇り、伏し目がちになる。
地面に顔を向け、フェンスに寄りかかって右足をぶらぶらと揺らし始めた。
「私さ、美湖の事見えるじゃん。だけどね、なぜか、いっちゃんは見えないんだ」
「壱知君、だけ?」
「ん、そう。気配はするの。あ、いっちゃんだ、って、確かに居るのは分かるんだけどね……見えない」
侑はほっと息を吐いた。
そのまま、黙り込む。
「……そのさ、侑ちゃんは好きなんだよね?」
「——っ!」
静寂を破った美湖の言葉に侑は驚き、一瞬、心を乱した。
姿勢を立て直してつぶやく。
「侑でいいから……。……うん、好き。でもずっと片思い。今まで一回も好きって言ってないのに、眠っちゃったから……」
ふいに洋平のことが頭をよぎった。
伝えられなかった思い。
京にだって、完璧な愛を求めることができた訳ではない。
美湖には、侑の痛みや苦しさが分かった。
「だからね、美湖……お願いがある。いっちゃんと話がしたい。その仲立ちをしてほしいの……」
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