コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

向日葵の破片。  -Himawari No Kakera。- ( No.34 )
日時: 2012/10/14 13:27
名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)

第三話Ⅱ*さよなら


振り返ると、笑いじわの目立つおじさんがいた。

「だれ……ですか。て、いうか、私のこと……見えるんですか」


おじさんは笑いじわを深くした。

「僕のことは明苑寺さんともよんでくれ。僕はこれでも神社の主でね、霊感が生まれた時から強いんだ。と、いうより、そういう仕事も時にあるから」

「そういう仕事?」

「うーん、わかりやすい言葉だと、お祓い、かな」


という事は……。
私——————。

「洋平と、離れちゃった」

体から力が抜けた。
まさか、洋平の方から別れを選ぶなんて。
せっかく、私の存在に気づいてくれたのに。

美湖の目から涙が溢れた。


「かえって、良かったんじゃないかな。あんまり執着しすぎると、その人自身にも負担がかかるしね」

明苑寺さんの言葉を背に、古い神社を後にした。