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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 向日葵の破片。 《オリキャラ募集!》 ( No.47 )
- 日時: 2012/11/18 11:19
- 名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)
第五話Ⅰ*学校
「行ってきまーす」
京がローファーをはく。
「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ! 何で夏休みなのに学校に行くの?」
「特科だから。俺は美湖ほど暇じゃないの」
そう言って京は玄関を出ていく。
「青春だねー」
「はっ!」
驚いて振り返ると、明苑寺さんがいた。
「明苑寺さん……」
「京の事は、きょんす……けだっけ」
「きょんちです」
「そうそう、きょんちって呼ぶのに、僕の事は明苑寺さんか〜。悲しいな〜」
悲しいと口では言いながら、目は笑っている。
美湖も可笑しくなり、ぷっと吹き出した。
「だって、私、明苑寺さんの下の名前知らないんですから」
明苑寺さんは京が開けっ放しにして行ったドアを通して、遠くを見た。
横顔が京に似ているな、と美湖はふと思う。
「うーん、美湖ちゃんが京を追いかけて行ったらいいけど」
「え?」
「美湖ちゃんって意外と素直じゃないんだね。京と一緒に居たいなら、学校、一緒に行けばいいのにさー。あんな男だけど、もし、美湖ちゃんが好きになってくれるならね。こんな言い方は駄目だけど、美湖ちゃん、みんなに見えない訳だし———」
明苑寺さんが笑う。
少し意地悪な笑顔。
やっぱり、京に似てる。
あ、違うな。京が似てるんだ。
「……行ってきます」
「行ってらっしゃ〜い」
明苑寺さんは、今日一番の声の高さと笑顔で美湖を送り出した。
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