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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 向日葵の破片。 《オリキャラ募集!》 ( No.60 )
- 日時: 2012/11/18 11:21
- 名前: 透子 (ID: VEcYwvKo)
第五話Ⅱ*学校
「きょんちー」
「のわっ!!!!」
「こらー、どうした明苑寺ーまだ一時限目だぞ、集中せんかアホー」
教師の声と共にかすかな笑い声が教室に広がる。
京は一瞬だけその教師を見て、その後にこっそり美湖の方を向いた。
美湖は京の机の横にしゃがみ込み、顔を机の上にのせてきた。
『何で来たんだよ』
京はノートの隅に小さく書く。
「いいじゃん。明苑寺さんも、良いって」
美湖は秘密を隠した子供の様に無邪気に笑った。
親父が何か言ったな。
京は少し気がかりだったが、また教師に注意されることを避けるために黒板を見た。
「ふーん、意外とバカなんだー! こんな問題もわかんないの? えーとねー、ここはねー」
自分の声が他の人に聞こえていない、と安心しきっている美湖は顔を机のど真ん前に移動させ、京をからかった。
『うるさい』
そう書くと、美湖は立ち上がり、ふてくされて窓の外を見た。
ほんと、可愛くねーのな。
「フッ」
「こらー、またお前かー。授業はなー黙って受けろー、な、明苑寺ー」
思わず声に出して笑った京を再度教師が注意する。
京は黙って『何で来たんだよ』と『うるさい』の文字を消した。
美湖が振り向き、京を見て笑った。
京は一瞬だけ美湖と目を合わせ、板書を写し始めた。
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