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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ホシゾラ ( No.2 )
- 日時: 2012/07/19 17:52
- 名前: 伊織 (ID: 9RGzBqtH)
「えー、皆さん、入学おめでとうございます。我が校は…」
入学式、卒業式、始業式、終業式…と、数ある学校での式で、校長の話を喜んで聞いている者は、皆無に等しいだろう。
とってつけられたような言葉はどこも似たり寄ったりで、憂鬱にしかならないのだ。
というのはおれの持論だが、おれの同級生になる周りの奴らは、どこか初々しく着慣れていない制服のリボンやネクタイをいじくり回しているのだから、同じ意見のはずだ。
やっとのことで入学式も終わり、教室に向かう途中、女子の歓声とも言える高い声が響いた。
気にはなったが、どうせあいつだろうなと予想は付いていたから、わざわざ後ろは見なかった。
いきなり肩を叩かれた。
振り向かざるを得なくなったので渋々背後を見ると、そこにはやっぱり、おれの幼なじみがいた。
「よッ。太陽、えらく冷たいじゃん。もしかして、怒ってる?」
こいつは、北嶋風斗。
歓声を起こらせた張本人で、とてつもなく美男子。
というか、北嶋家そのものが美形で、兄と妹もハンパない。
おれの親友で、過去や秘密など、おれのことを知りまくっている。
微笑むだけで、同姓も異性も関係なくイチコロにできる。
などなど、真実からうわさまで色々出回っている。
「別に怒ってないから。で、何だよ?」
確か、風斗とはクラスが違うんだけどな…。
風斗が口を開いた。
と、
『きゃあぁぁぁぁぁ〜!風斗くぅ〜ん!!』
風斗ファンのせいで、風斗の声はかき消されたし、しかも本人は、自分の愛すべきファンから逃亡したから、おれは一人で廊下に立ってる寂しい人になってしまった。
しかし、風斗。
おれの幼なじみであり、親友よ。
お前はさっき、おれと同じクラスの<神埼雪路>の名を口に出さなかったか…?
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