コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ホシゾラ ( No.24 )
- 日時: 2013/03/02 20:03
- 名前: おかき (ID: PyVSA6Ez)
「……」
考える。
そう、おれは考える。
俺らが天文部に入部してから、もうすぐ一ヶ月が経とうとしている。
どの部も大分前から本格的に活動を始め、入部したてであった一年生達もそれぞれの部の活動にも慣れてき始めた頃だろう。
さて、それらを踏まえて今おれが何を考えているか?
「…神崎」
「何」
「おれらって、天文部だよ…な…?」
「そうよ」
「………天文部らしいこと…してなく…ね?」
「そうね」
おい。
そう。おれが考えても考えても考え足りないこと。
天文部って 何だっけ。
「…まあ」
「言われてみれば…そうかもねぇ」
江野と風斗がそう言う。
————いやいや、おれはお前らのことでも色々と考えてたところだ。
そもそも、おれは何でコイツらが天文部へ入ったのかというものを、まだあまり知っていない。
ただ、橋本からは以前に聞いたことがある。アイツは小さい頃から星が好きだったらしく、この部へ入ることは大分前から決めていたらしい。
あとはまぁ……東雲は恐らく、ここならいくらでも宇宙人と交信でも出来ると思って入ったんだろうな。あくまでおれの推測だが。
問題はコイツらだ。
おれは風斗、江野、そして神崎の顔を順番に見つめた。
まず風斗。コイツはかなりスポーツ万能だ、しかもジャンルを問わず。
事実、アイツは天文部に入部する前に晴陽高校の全運動部にスカウトされまくって、挙句の果てには部活同士で風斗の取り合い(大乱闘)が勃発したという、想像しただけで超大作の地獄絵図が完成するような事態を巻き起こしていた。
「またあんなことになったら大変だからさ」と風斗は言っていたが、だからといって何故天文部?アイツが特に星に詳しくないことは、幼馴染であるおれが保障する。
次は江野だ。アイツも、大して星にはあまり興味がないにも関わらず入部してるように見える。しかも、アイツの夢はミュージシャンになることらしい。ますます分からない。
部室にいても、江野は終始音楽を聴いてるか歌ってるか踊ってるかしかしていない。それならいっそ軽音楽部やら同好会やらを作ればいいだろ。
そして神崎。我が天文部の部長様だが、コイツも星の知識はゼロ。部活の時間でも特に何を提案するでもなくただ部室に来るだけ。時には部室にすら来ない時もあるくらいだ。部長としての意識がまるでない(まあおれらも全然何もしていないのだが…)。もしおれが、さっき何も言っていなければ、また今日もグダグダと時間を潰すだけになっていただろう。
分からない。コイツらの目的がまるで分らない。
……まあ、こうズラズラと文句を並べているおれも、星の知識は皆無なわけだが…。
…だっ、だが!おれにはちゃんと目的がある!昔祖母のいる田舎へ行った時に出会った女の子と再会するという立派な目的が…!!
………ある、一応。
—————…おれも人のことは言えねえかなぁっ……。
いやいやいやっ!折れるな日野!!負けるな太陽!!
第6話前編・終