コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ようこそ!我らが青春部へ! ( No.3 )
- 日時: 2012/07/29 15:42
- 名前: 夏目 ◆x59qz04G1I (ID: fbqYC.qT)
- 参照: ▼ season 01 青春部はじめました
「 雅ちゃーんそれそっちに運んで 」
晴れて(?)部長になった私は現在物置き状態だった部室を片付けている真っ最中。実は青春部員はあの2人だけじゃなくあと2人程いるんだとか。もちろん兼部でほとんど参加できていないらしい。こないだいた藤堂君はたまたまいただけらしい。そして他に所属もしていない私と雅ちゃん2人でこの物置き部屋を掃除しているわけです。
「 うわぁっとと……きゃぁーぁ !! 」
素晴らしい悲鳴の後に続いた鈍い音は雅ちゃんがおっちょこちょいパワーを発揮して倒れたことを示している。振り返るとまったくその通りの現状で仰向けに倒れた雅ちゃんの頭の上に数冊の本が覆い被さっていた。
「 雅ちゃーん ?? 大丈夫ですかー 」
埃をかぶった本をどけると埃をかぶった顔が現れた。ふぅーっと顔に息を吹きかけると瞑っていた瞼を開け私を確認するといきなり腕を私の首に伸ばしすごい力で抱きついてきた。
「 茜ちゃん心配させてごめんね。雅はもう大丈夫だよーん 」
と自分の安否を伝えてくれたのはいいのだが一向に首に組んだ腕をほどこうとしない。手のひらで上体を起こしてはいるが、さすが二次ヲタヒキニート。体力が持たない。私はもうそろで果てそうである。そして私のこのプルプルと震えている腕に反比例して雅ちゃんの力が強くなってくる。
「 みっ、みやびちゃ……ちょっもっもうっ、もう無理 」
ドサァッ。私の努力も空しくこの豪腕力娘にやられたわけだが、実際この状態を見られたら危ない。華の女子高生生活が、私のJK2LIFEが !! この16年でさえ彼氏いないのに、残りの2年程を棒に振るのと同じだ。
そして変な所で当たってしまう私の予感。入部する前もそうだったが悪い予感はどうしても当たってしまうのだ。
部室の窓から見える渡り廊下を見上げると藤堂君ともう1人知らない男の子がやってくるのが見えた。目的地はそう……この部室だ。こんな状況を見られたらひとたまりもない。雅ちゃんを説得するしか道はないのだ。
「 ねぇ、雅ちゃんあの藤堂くんっとか来るからその腕離してくれ、ない ?? 」
目を見て話す事はこの状況では危ないと判断した私は顔を扉側に向け反対側の雅ちゃんに話しかける。一方雅ちゃんはそんな事を気にもせず当たり前のように私に抱きついたままだ。そんな雅ちゃんの吐息が首にかかってくすぐったい。
「 関係ないっ 」
雅ちゃんは基本的みんなの前だとツン全開で私に対しても態度が変わる。が、2人でいると何故だか異様に甘えてくる。そして彼女は器用に足と腕を私の体に絡ませてガッチリと縛った。
——だめだこの子。末期だ。
最も聞きたくなかった音が頭上から聞こえると同時に自分の名前を残念そうに呼ぶ声が聞こえた。