コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ようこそ!我らが青春部へ! ( No.1 )
- 日時: 2012/07/25 13:43
- 名前: 夏目 ◆x59qz04G1I (ID: fbqYC.qT)
- 参照: プロローグ
えーと、現状把握しろ私の頭。今立ち尽くされているこの状況をだ !! なんなんでしょう一体ここは。確か部活紹介で引きずりこまれた教室……いや前言撤回、“教室”じゃなく“準備室”。乱雑されたダンボールの間に器用に収まっている淡い水色のソファー以外は準備室だ。淡い水色と言っても色落ちした水色かも。そしてその上には目を見開きながら優雅にペットボトルのスポーツドリンクをがぶ飲みしている男子。——おそらく同い年。
「 雅もう連れてきたの ?! 俺なんも準備してないんだけど 」
雅と呼ばれたのは私の友達で、私をここにつれてきた張本人。声をかけた男子は未だに目を見開いたままで私と雅を交互に見比べている。口元を引きつらせて笑う私とあくまで無表情の雅。ちなみに雅の本名は本条雅ちゃんね。
「 んなことどうでもいいのよ。んま紹介すると、この子は私のお友達の本多茜ちゃん。んでこいつが部長にならずにズルズルと副部長をやってる藤堂大地 」
藤堂と紹介された男子に軽い会釈すると案外にも好青年なようで笑顔で会釈し返された。
とまあ、そこでひとつ疑問が浮かび上がったわけで、それと同時に嫌な予感が浮かび上がる。自分の仮定を打ち砕いてもらうためにはやはり聞いてみるしかないようだ。
「 あのさぁ……、ひとつ聞いていい ?? 部長とか副部長って言ってるけどここなんかの部室……かなんか ?? 」
恐る恐る雅ちゃんに聞いてみるともちろんだというように頷く。今度は雅ちゃんが口を開いた。
「 そうっ !! 青春部 !! 今日から茜ちゃんが部長ね !! 」
やはり自分の悪い予感はあたっていたようだ。もちろん更々部長になるはずなく、元々こんな青春部なんかにかまってる時間なんてものもない。
後ろに踵を返しドアに手をかけた……が開かない。そうこうしてると雅ちゃんが私のブレザーの裾をぎゅっと握ったまま無言でこちらを見てきた。涙目のようにうるうると目をにじませている。
——これはギャルゲーかなんかなのかっ ?!
錯覚してしまいそうなシチュエーションに多少キョドりながら首をかしげると雅ちゃんはうつむきがちに言葉を絞り出す。
「 あのっね、私ね、茜ちゃんしっかり、しっかりしてるから。それにとっても友好……的だし、廃部寸前の青春部、っつーか青春同好会がつぶれたらいやだなー、てか茜ちゃんのこと私大好きだから一緒に部活……やろぉ ?? 」
やばいってやばいって。それ以上やると私の中のいけない何かが覚醒するぞおい。そして不覚にも頷いてしまった私は後に後悔することになる。
とりあえず見かねたのか、藤堂君が私に一声かける。
「 あの……本多さん ?? このタイミングで言うのもあれだけど、そこのドア押すタイプじゃないんだよね……それ引き戸です 」
そう私はドアノブをがちゃがちゃ回しながらずっと前に前に押していたのである。
本多茜16歳元帰宅部。華の女子高校2年生の筈なのに咲きそうもないです。