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　自転車にまたがり快調に飛ばす事約10分、通い慣れた学校に到着する。校門の前ではすでに3,4人の人影が見える。実際５分程遅れている。

　「　こんちくわぁー !!　」

　大きく手を振りながら大声で叫ぶ。すると一斉に振り返りこちらを見やる。いつも制服しか見てない人の私服をみると新鮮味がある、雅を除いて。だいたい予想通りだけど。
　久坂は安定のチャラ男でネックレスに黒のＴシャツで袖が白くなっており金のラメストーンで髑髏のマークとかぶって英字がたくさん書かれている。下はカーキ色のチノパンで暑くないかと聞きたくなる。
　藤堂君は白のシャツを第一ボタンを開け、腕まくりしてストライプ柄のネクタイをつけてるのに、茶色のカーゴパンツ。以外にオシャレで本条さん的にポイント高いです。
　雅は何回も遊んだ事あるしだいたい把握してるけど、紺のスカートに上は赤と青と白のしましまの襟付きのＴシャツをインして夏らしいマリン仕様。相変わらず羨ましい。私は花柄のマキシワンピでごまかしている。
　と、一通り見終えたわけだが、見知らぬ女子が１人。下はジーンズの短パンで、肩出しタイプのＴシャツ。いわゆる女子の厳つい版。

　「　今からマックだって　」

　肩出しちゃんが私に一言かけてくれるけどとりあえず、誰。タメ語あたりから後輩ではないんだろうけど、こんな部活に入って打ち合わせに来てくれるあたりいい人なんだろう。

　「　あの……すみません。どなたですか ??　」

　肩出しちゃんに聞いてみると嫌そうに顔をゆがめる。

　「　なに ?? 俺に言ってんの ?? 普通聞く前に名乗るでしょ。常識ね　」

　——こいつ、やり手だなっ…… !!

　後にこいつといい関係にはなれないと感じた。まず一人称が俺だし、そして口が悪い。

　「　ぅ……。青春部部長をやってる本条茜ですー。ちなみに２年Ｅ組　」

　青春部部長と発言した瞬間に真一文字に固かった口が、ポカンと顎が落ちて口が大きく開く。

　「　お前なんかが部長かよ。こんなちっこいの。青春部終わったね。藤堂がやった方が良かったんじゃない ?? 俺は片桐久美。２年Ｂ組　」

　うわあ。こいつにボロクソ言われましたけど。しかもちっこいって !! なに !? 確かに高2で身長156ですけど !? 君が大きいだけでしょ !? おい。自己紹介してくれただけ良かったけど。

　「　マックいくぞー　」

　久坂のその一言で現実に戻ると置いてかれている事に気づく。
　片桐久美。天敵になりそうです。