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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: レモン色ドロップ。【短編集】〜リクエスト募集中〜 ( No.1 )
- 日時: 2013/01/19 15:30
- 名前: 上総 (ID: SnkfRJLh)
[ レモン色ドロップ ]
それは、キレイなキレイなレモン色をしたドロップでした。
学校からの帰り道。
さっき教室の窓から見た空は、綺麗なオレンジ色だったのに、今はもう黒に染まり始めている。
(最悪……)
だいたい、今時補習で夜になるまで残されるなんてありえないと思う。
(早く帰れたらキミに会えるかな、とか思ったりしてたのに)
なんてついてないんだろう。
そう思いながら歩いていると、1メートル程先に人影が見えた。
しかもその人影は、どこかこちらを見ているようにも見える。
周りが暗いこともあって少し恐怖感もあったけれど、だんだん近づいていくと“それ”は何となく見覚えのある人物だと分かった。
(…………うそ、)
その人物は、私を見つけると足早にこちらへ向かって駆けてくる。
「これ、やる」
少し息を切らしながらも、無愛想にそう言ってキミは去って行った。
今まででキミからもらったものは、今この手の上に乗っているレモン色のドロップだけ。
だから、とても嬉しくて。
もったいないような気もしたけれど、そのドロップを口に運ぶ。
「……しょっぱくて甘い」
なぜ甘いはずのドロップが、しょっぱいんだろう。
それと同時にトクン、と高鳴る胸。
(わかった、涙の味だ)
レモン色した、キレイなドロップ。
それはほんのり甘くて、少ししょっぱくて。
そんな風な恋が出来たらいいのにな。
時々甘く、時々切なく。
(相手はもちろん、)
「ねぇ! これ、この前のお礼に……」
そう言って徹夜で焼いたクッキーを渡すと、目を逸らすキミ。
覗き込んでみれば、ほんのり赤い顔。
(勘違いしても、いいですか?)
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なんだこれorz
書いててだいぶ恥ずかしかったです、糖度高すぎる。
9/26 修正しました
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