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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: レモン色ドロップ。【短編集】〜リクエスト募集中〜 ( No.46 )
- 日時: 2013/01/19 17:17
- 名前: 上総 (ID: SnkfRJLh)
[ モノクロワールド ]
「今日のご飯、どうしよっか?」
「んー……俺カレーが食べたい」
「じゃあルー買って来なきゃ」
夕暮れに照らされた道を、ふたりで歩く。
いつもと同じ、他愛のない会話をしていた、はずだった。
「危ない!!」
隣から聞こえる声と共に、体が何かに押されるような感覚。
その瞬間。
キキーッ
車のブレーキの音が鳴り響き、頭の中が真っ白になる。
何が起きたのか、全く理解できない。
どうして、彼女の身体から赤い液体が零れているのか、
どうして、自分は道の端で座り込んだまま立ち上がれないのか、
どうして、周りがこんなに騒いでいるのか、
どうして、彼女は自分なんかをかばったのか、
どうして、どうして、どうして、、、
救急車のサイレンの音がけたたましく鳴り響き、頭の中でこだまする。
「ご臨終です」
医者の言った言葉の意味が分からない。
ご臨終?何だそれ、コイツが死ぬなんて、そんな、だってさっきまで今日の夕飯の話なんかしてて、、、
隣ですすり泣く彼女の両親を背に、俺は病室を飛び出した。
(君のいない世界なんて、いらない)
君という名の色がなくなった世界は、モノクロでしかない。
ならば、せめて。
(色を付け足せばいいんだ、自分の手で)
静かに取り出したカッターで、自分の喉をかっ切った。
この世界に残されたのは、白と黒と、そして赤。
——————————
く、暗っ……!
やっちまった感が半端ない……orz
意外とこういうのとか悲恋とか切ない系とか好きだったり。
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