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- Re: レモン色ドロップ。【短編集】〜リクエスト募集中〜 ( No.55 )
- 日時: 2013/01/19 17:10
- 名前: 上総 (ID: SnkfRJLh)
[ それでも君は、 ] 生卵。様リクエスト
頭が痛い。
というのは嘘なんだけれど、人間と言うのは不思議なもので。
「頭が痛い」と口にしてみれば、なんとなく痛い気がしてくる。
“これ”を始めてからもう何ヶ月経っただろうか。
最初は、小さなものだった————。
その日は朝から頭がガンガンしていて、吐き気もしていた。
それでも無理をして何とか一日乗り切った————はずだった。
運悪く、教室を出るその瞬間に、私は身体から力が抜けていく感覚を覚えた。
だけど体は床に直面することはなく、温かい腕に支えられたのだ。
その腕は、紛れもなくキミのもので————。
幼馴染みのことを好きになってしまった。
もう何年も前から好きだった。キミは気付かないということを知っていて。
そもそも幼馴染みと言う時点でキミは私に友達以上の感情は抱かないだろう。
だけど。キミの体温を知ってしまったあの日から、あの感覚が体に染みついて離れない。
「大丈夫?」と心配そうな顔で私を覗き込むキミに、胸がトクン、となったのは事実で。
だから、もう一度その言葉を聞くために、私は“こんなこと”を続けている。
別に、学校に行きたくないわけじゃない。
友達だっているし、勉強だってそこそこ出来るから特に嫌なことがあるわけでもない。
ただ、キミに一言、「大丈夫?」と言ってほしいだけなのだ。
なんて醜い、汚い感情。
キミを騙し続けて、それでもその満たされる瞬間を一度味わってしまえば、もう後には引けなかった。
だけど、休む回数を重ねていくうちに、だんだんキミは何も言わなくなった。
どうやら私のことを引き籠りと勘違いしたようだった。
優しいキミのことだから、無闇に言葉をかけて私が嫌な気持ちにならないようにと思っているのだろう。
(案外、引き籠りっていうのも間違ってないかもしれない)
自分の殻に閉じ籠って外に出る勇気なんてない。
ましてや自分の気持ちを伝えるなんてそんなこと、出来ない。
ずるいのかもしれない。
外の様子だけを伺って、本当のことなんて言えなくて。
キミの出方を静かに待っていることしか出来ない。
“大丈夫?”
ただ一言、その一言が欲しいだけなのに。
(それでも君は、————)
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生卵。様、こんなんで宜しかったでしょうか;
毎度のことながらわけわからんものが出来上がってしまった…orz
リクエストありがとうございました!!