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2．これが、恋？



胸に染みる切ない痛みと、彼を見るたびに高鳴る胸。
彼が触れればそこから熱は広がっていく。

「うん、それ恋だよね」

親友である桃子に相談すると、案の定そう言われた。
桃子は、自称恋愛マスター……らしい。
実際そうなのかどうかは分からないが。

「恋、なんだ……」

恋、とそう呟いてみれば、想いが加速していくような錯覚を覚える。
確かにこれは恋なんだろうけれど、自覚が芽生えるとまた違ってくる。
果たして彼に恋をしている人間は、何人いるのだろうか。
人気のある彼のことだから、少なくとも二桁は行っているだろう。
フラれただとか、そういう話も時々耳にするし。

（私も、そうなるのかな）

その前に告白もまだなのだが、そんな思いが芽生えてしまう。
不安で不安で堪らなくて、彼のことを考えると夜も眠れない。

（もしかして、）

（これも、恋？）