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Re: 【リク受付中】 嘘つきミルフィーユ 【短編集】 ( No.91 )
日時: 2013/01/19 16:50
名前: 甘月 (ID: SnkfRJLh)

[ タオルコミュニケーション ]



キミがシュートを決める度、フェンスの向こうから黄色い声が上がる。
滴る汗を腕で拭うキミにドキドキしつつ、自分だけが特別なわけではないことを知る。
少しでもキミに近づきたくてわざわざ引き受けたサッカー部のマネージャー。
けれど一向にキミとの距離は縮まらない。
仕事と言ったら雑用ばかりだし、フェンスに群がる女子たちの方がよっぽどキミに近づけている。
ただ一つ、良いことと言ったら。

「ありがとう」

試合終わり、汗を拭うためのタオルを渡すと、いつもキミはそう言ってくれる。
確かに最初の方は他の部員たちも言っていたけれど、数ヶ月が過ぎた今でも言ってくれるのはキミだけだ。
だからその度にまた、私はキミに恋に落ちてしまうのだけれど。


(胸に隠した想いを、)
(言ってしまったらどうなるの?)



——————————

君への想いは
がまんしてても膨らんでいって
好きという事実は変わらない
きづいてほしい
でも気付かれなくてもいい
すなおになれたらいいのに

(この関係を、壊す勇気は無いの)


ヒント:たてよみ