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第２１話　★　復讐者　★

瞬間、カナがポケットから何かを取り出した。

「なに、それ……」

美菜は、怪しいものを指さして言う。

「これぇ?爆弾だよっ♪」

「爆弾っ??!!」

みんなの驚く声は綺麗に重なった。

「馬鹿かよ、お前」

諒の声はすでに怒っているのが分かる。

「大丈夫だよっこれ、人間には効かないから♪」

……人間には効かない?

「殺したい相手の体の中にこの爆弾を入れるの♪そしたら、その体の中でぼっかーん!てね♪」

恐ろしいことを明るく楽しそうに話すカナに、可愛さなんてもう既になかった。

カナのツヤツヤなカールした茶色の髪も。
真っ白な純白の肌も。
まつげの長いパッチリした色素の薄いピンクの瞳も。
ゼリーのようにぷるぷるの唇も。

もったいないくらい、今のカナは素敵じゃない。
可愛さなんてどこにもまとってない、復讐者の顔だった。

「そのターゲットはっ!!!」

カナが指さした人は。

「ティアラちゃんっ♪おめでとう、あなただよ!!!」

選ばれたティアラの表情なんて、もう覚えていない。