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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ラブロボ!!! ( No.171 )
- 日時: 2012/09/26 16:42
- 名前: うえってぃ (ID: HpE/sQXo)
第23話 ★ 兄妹 ★
——僕は、ティアラの兄だから。
その言葉を言ったお兄ちゃんは、恐かった。
真っ黒な瞳は、なにもかもを見透かしてしまいそうで。
わたしの心までも。
わたしは、お兄ちゃんになにも言えなかった。
「馬鹿じゃないの?なにそれ。兄妹愛ですかぁ???」
カナが馬鹿にした口調でクラウンに言う。
「この世に愛なんてないのにね、勘違いしちゃって可哀想」
——バチンッ
なにかを強く叩いた音が、脳裏まで響いた。
手のひらが痛い。
焼けるようにジンジンする。
「痛っ……」
カナは頬を押さえている。
私、カナを叩いたんだ。
どうしてか、分からなかった。
「ティアラ……」
お兄ちゃんが私の名前を呼ぶけど、聞こえなかった。
「あんたみたいな、孤独なヤツに愛なんて分かるはずない!!!
カナはそんな子じゃない!!!あんたみたいな、最低なヤツじゃないわよ!!!」
「最低なのはどっちよ……
裏切ったのはあんたでしょ!!!」
カナが爆弾を握り締めた。
「消えてしまえ、お前なんか」
カナが放った冷たい言葉は私の心を突き刺した。
瞬間、私は肩を強く押されて倒れてしまった。
「ティアラに手ぇ出すなよ」
お兄ちゃんが私の前に背中を向けて立つ。
「これが、兄としての償いだ」
そう言って、お兄ちゃんはカナの手を握った。
「おにい……ちゃん?」
「じゃあな、ティアラ」
お兄ちゃんは、カナの持っていた爆弾を口に放り込んで。
驚いているカナにキスをした。
パァっと目の前が真っ白になって。
気付けば、お兄ちゃんとカナはいなかった。
「ごめんね……お兄ちゃん」
「私はお兄ちゃんの妹で幸せだったよ———」
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