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Re: ラブロボ!!!  ( No.46 )
日時: 2012/08/01 08:47
名前: うえってぃ (ID: HpE/sQXo)

第9話 ★ 痛み ★

鈴のお母さんは、買い物に出かけた。
ここは、2人きりの空間。

——鈴、教えて……

でも、鈴の体は震えていた。

——分かるよ

——恐いんだよね

——なにもかもが……

「鈴、話せる?」
私は、壊れ物を扱うように優しく問う。
鈴は、俯いたままうなずく。

——鈴、頑張って……

「ホント、しつこい女。」
聞き慣れない声が後ろからした。
瞬間、鈴が不敵の笑みをこぼした。

——嘘ッ……?!

「麻紀、遅いわよ。」

——麻紀……

でも、私には見えなかった。
麻紀の姿が。
「どういうこと……?」
私は、鼓動が早まるのが分かった。
「消して…麻紀。コイツをねッ!!!」
鈴が私に向かって指さし、叫んだ。
「りょーかいッ★」
甘ったるい声がリビングにこだまする。
瞬間、腕にするどい痛みを感じた。
「——ッ!」

——諒は……?
そういえば、諒がいない。
いつからだろう。

どくどくと、体中の血が私の視界を染めていく。
「い…たいッ……!」
意識が朦朧とする中で、私は鈴たちに必死に訴えた。
「もがきなさい……キャハハハハハハ!!!!!」

——助けて……

——誰か……

まだ救える人が私の目の前に居ます…



——誰か………



「美菜ッ!!!!!!!」
気を失おうとしたとき、諒の叫ぶ声がした。
そして、勢いよくリビングに入ってきた。
諒だけじゃない、有馬も。ティアラも。
「諒……おそいわよッ…」
私は、苦笑いをした。
「ごめんな!ティアラ、美菜を頼むッ!!!」
「了解ッ」

「していいことと、悪いことがあんだろッ!!!!!」
諒が私には見えない麻紀に向かって叫んだ。

——諒には、見えるんだね……

こんなに必死な諒、初めて見た……
「お前は、クズだ。ロボットとしても。人間としても。」
諒が怒りを抑えてるのが分かる。
「クズは、あんたよ♪」

瞬間、辺り一面、紫の色へと変わった。