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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 初恋〜あなたが ( No.11 )
- 日時: 2012/09/27 16:15
- 名前: うえってぃ (ID: HpE/sQXo)
第3話「あなたの笑顔」
優しいって…
どういう意味なんだろう。
ある人にだけ親切にすること?
みんなに平等な人?
駿くんは、優しいんだよね。
ただ。
優しいだけ。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ずっと、駿くんの事ばかり考えてた。
そして、考えるたびに胸が痛む。
どういうことなんだろう。
恋をしたことのなかったこの頃の私にはまだ意味が分からなかった。
どうして、胸が痛いのか。
この違和感は何なのか。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ある放課後。
私は今日日直だ。
結衣は、部活で先に行ってしまった。
——日直の仕事、めんどくさい。
机ならべをしながら、思った。
「手伝うよ。」
誰かが言う。
私が振り向くとそこには駿くんがいた。
「ありがとう…」
私は、素っ気無く返してしまう。
教室には、私達の2人しかいない。
やっと日直の仕事が終わった。
「ありがとね。私、日誌持っていくから…」
「うん。」
彼は優しく微笑む。
その笑顔が少し気に喰わなかった。
——少しだけ。
「ねえ。どうして駿くんはみんなに優しいの?」
私の本心を口に出してしまう。
「——え?」
彼は、笑顔で首をかしげる。
「あ…ううん!ごめん。じゃあね!」
私はそう言い残して教室を出た。
——あなたの笑顔を見ると心が温かくなる。
——でもね。
すっごく
すっごく
苦しくなってしまう。
あなたの笑顔が恐くてたまらない。
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