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Re: 俺の幼馴染みが橋の下に住みついたようです。 ( No.5 )
日時: 2012/08/22 19:34
名前: なちゅら (ID: Fhb4zUz0)

③帰宅

 「竜輝っ!? 紅浬ちゃんは!?」
玄関の扉を開けるなり、竜輝の母親は鬼のような形相で駆け寄ってきた。
「あ———〜……、友達の家いる。」
竜輝は1から説明するのが面倒になり、そう返す。それに、幽霊だなんて馬鹿言っても信じてはくれないだろうし、実際幽霊でもないし。放ってきたなどとは、到底言えもしない。
「そう……、よかったぁ……。もう、本当に心配したんだから」
竜輝の母親は大袈裟に肩を落とした。
 そんな母親を玄関に残して、竜輝は階段を上る。壁にかけてある時計の針は10時半を指していた。
 家を出たのが7時ごろだから……。……3時間半、か。
 部屋に入ると、ぐったりと力が抜けた。そのまま横になると、寝てしまいそうだった。
 紅浬にメールでもしてみるか……。あー……、でもやっぱり電話にしとくか……。声、聞こえる方がいいし。
 早速、紅浬の携帯に電話をかけてみる。2,3回、着信音がなったところで、紅浬は電話に出た。

 「ヘイまいど。こちら……えー、“橋の下”ですけどー。何か御用で? 」

 「はぁ!? 」

 電話に出たのは赤浬ではなく……、能天気そうな男だった。
 竜輝は一旦電話を切る。確かに紅浬にかけた筈だ。見間違いか? もう一度、紅浬にかけ直す。

 「おい、手前、連続でかけるんじゃねぇよ何やってんだ。あ———……、で、こちら“橋の下”です。ご用件は?」
 
 やけにいらついているが、先ほどの男と同じ声が聞こえた。
「……誰だ手前。」
竜輝も、紅浬のおふざけだと気がつき、いらだちは隠せていない。
 そうして、少年はまた夜の街に出なくてはいけないこととなる。