コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: Link! コメ返します! ( No.21 )
日時: 2012/08/20 15:48
名前: 零華 (ID: BwWmaw9W)

「今日はどんな依頼に行くか?」
キリは取りあえずマスターに連行され、無かった事になっている。
ダリアはレナとすれ違ったとき、ポンと頭に手を乗せ一言、
「ごめんね」
と言ってそそくさ何処かに行ってしまった。多分それは照れ隠しだろう。
レナも、「全部言ってすっきりしました」と返していたのが少し聞こえた。
「どんな依頼を請けようかー」
三人でクエスト掲示板の前に立ち尽くす。
「ん…」
アズマが何かに気づいた。
「これは……」
『この人について調査して下さい!』
依頼内容 尾行、調査 ランク C 危険度、F

そして貼ってある見覚えのある顔写真。
「ニコか」
「そうだな」
ニコ・アルベルト。魔の天才とでも言っておこうか。先日のAIの時にも世話になった。悪い方の意味で。
「ニコって誰ですか?」
レナが聞いてくる。
「ああ、ウザい爺さんだ」
アズマがそう言ってハルに説明を丸投げした。
ハルが状況をかいつまんで説明するとレナは納得したようだ。
「じゃあそのニコって人を捕まえましょう!!」
……納得していなかった。ハルがまた説明し始めたが、今度はかなり砕いて説明になっている。
やっと理解出来たようだ。
「逮捕出来ないんですね」
「そうだ。だから通報もしない」
レナがほうほうの程で頷く。
「よし、それじゃあ依頼主の家へ行くか」
三人でギルドの外に出ようとしたとき、
「アズマー!」
止まったアズマに駆け寄ってきたのはクランクだった。手に野球ボール程の金属の塊を持っている。
「例のAIパーツで作ってもらった。予定より早く出来たんだ」
金属の塊を差し出される。
受け取ると、塊から羽の様な部分が出てきた。良く見ると目と口の様な部分もある。
「鳥だな」
「鳥型のAIだ。この一台に色んな機能が付いています」
更に今回はこのアタッチメントをお付けしてこの御値段!29800円です!とか言うのかな?ジャバネットたかたかよオイ。
「このAIはブレスレットを着けている人と念話が出来る。更にAIが見ている物を念話で観れる。録画も可能だ」
「凄いじゃん」
ハルが言う。
「まだ沢山機能があるらしいけどそれは使ってみないとと分からない」
そう言って立ち去るクランクに礼を言い、ギルドの外に出た。今は九月だが、まだ残暑が厳しい、茹だるような暑さだ。
三人は話ながら自然と木陰に移動した。
「丁度良い時にもらったな」
タイミングの良さに驚く。
「まずは試してみましょう」
レナの提案で、使ってみることになった。
アズマが手のひらを開く。AIは羽を羽ばたかせ、独りでに飛んだ。
「おおっ」
AIが見ている光景が脳に流れ込んでくる。
風にそよぐ木の葉やギルドに……レナの顔。あわてて念話を切る。
目の前に広がっていたのはさっきと同じ光景だった。
「ホントに凄い」
AIの見た光景が鮮明に見えた。
「これ使えば尾行なんて楽勝じゃん。早く依頼人の家に行こーぜ」
「はい」
三人で依頼人の家へワープした。