コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 風向きはかわるかもしれないじゃないか ( No.190 )
日時: 2013/05/18 20:25
名前: チャルトン (ID: qiixeAEj)


〜悠天side〜



空遥が朝月隆弘に言いかけたその時だった。



「隆ちゃん!!」


廊下中に響く大きな声。


こっちに向かってくる、フランス人形みたいにフワフワした女。


だんだんと近づいてくる。




俺はこの女を……知ってる。



「あれ?さっきの人も一緒だ。えーと、たしか…」


望月めぐみは瑠樹を見て言った。


「新山瑠樹くん!!……でしょ?」


「えっと…そうです。でも、なんで知ってるんすか?」

「有名じゃん、瑠樹くん。三年でも瑠樹くんのこと狙ってる人いるよー」

瑠樹と会ったことがあるのか?

でも、さっき 隆ちゃん って…。

朝月隆弘のことだよな?

望月めぐみは朝月隆弘のこと知ってんのか?


「みんなで何やってんの?ケンカ?」


「いや。ケンカじゃないっすよ。」

朝月隆弘が言った。


「隆ちゃん!まだ安静にしてなきゃダメなんじゃないの?」

「ただの脳震盪だから。そんなに心配しなくても大丈夫だって何度も言ってるじゃないっすか。」

「脳震盪なんてそう簡単になんないよー。」

そりゃあそうだ。

「それで……」

望月めぐみは真剣な顔をして空遥の方を向いて言った。








「どうしてあなたは泣いてるの?」

Re: 風向きはかわるかもしれないじゃないか ( No.191 )
日時: 2013/05/19 10:59
名前: チャルトン (ID: tVNOFy45)



……え…?


「なっ…なんでもないです!!」


空遥は目もとを隠しながら言った。


「なんでもないって…。泣いてるのに理由がないわけないじゃない?」

「なんでもないです!!目にごみが入っただけで…!!」


空遥は少し強い口調になる。


それもそうだ。

好きなヤツと仲良さそうな女に心配されちゃあこうもなるだろ。


「でもっ……!!」

スッ
「なんでもないって言ってるだろ。めぐみには関係ないんだからほっとけよ。」


「そんなこと言われたって…!!目の前で泣いてる子がいるのに無視なんて出来るわけがないじゃない!!悠天はできるとでも言うの?」

望月めぐみは俺に向かって怒鳴りちらした。

「だいいち、いままでさんざん私のこと無視してたくせになにそれ!?自分勝手にも程があるわよ!」


「……っ…!!」

くそっ。
マジむかつく…。


「行こう、空遥。」

「え?」

俺は空遥の手を握り、この場から立ち去った。

「は?ちょっと待てよ。」

瑠樹はめぐみに一礼して俺達を追ってきた。