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Re: 超高性能アンドロイド、拾いました ( No.27 )
日時: 2012/09/26 20:05
名前: カルマ (ID: 4pBYKdI8)

⑬学校生活、楽しそうです

昼休み。yuriaに学校を案内することになった。メンバーはもちろん、オレ、翔、琴羽、雷華の4人。

図書室、技術室、美術室、音楽室。何もかもがyuriaには新鮮なようで、目を輝かせていた。

『広い学校ですね。』
「いや、広すぎねぇかこの学校?」
「確かに、ほかのとこに比べたら広いし、つくりも複雑だよな」
「最初のころはよく迷子になったものだ」
「それをオレが探しに行ってたよな」
「まぁ...それは迷惑をかけたと思っている」
『迷わないようにするには、しっかりここの形状を覚えないといけませんね。私の記憶力が試されるということですか』
yuriaはこぶしを握り締めて力強く言った。
『燃えてきました。アンドロイドの本領発揮です。宣言しましょう、私が迷子になることは無いと』
おー、と翔がは手をたたく。まぁ、こいつが迷子になったらそれを探しに行くのは確実に俺の役目だから、できれば迷わないでほしい。

しばらくの間、適当に案内していると螺旋階段の前に出た。
「おー、ここって...」
「ふむ」
「懐かしいな」
『?なんですか?』
「一年のときにオレと翔が学校探検してたんだよな。そんでここで」
「雷華と初めて会った」
「あのときは、アリアもいたな」
「そーいやそうだったな」
『聞かせてください。そのときの話』
「オレも聞きたいな」
「あぁ...」

オレがまだ、入学したての1年生だったころ。放課後にオレと翔とアリア(オレの幼馴染で、オレの右斜め後ろの席の少女)は教室に残ってだべっていた。その日は国語のオリエンテーションがあった。
「そういやさ、国語の山下がー、国語に必要なのは想像力だっていってたじゃん」
「あぁ、そうだな」
「だからさ...ちょっと行こうぜ、魔王退治」
「!そうだね」
「は?」
「よし、全員武器を装備しろ!」
「いえす、さー!」
「いや、どういうこと!?」
「えー、今の流れで着たらわからない?」
どうやら、想像力を養うために学校探検がてらRPGごっこをしようということらしかった。いや、わかんねぇよ。
まぁ、この学校無駄に広いし。こいつらの迷子防止のためには、少しでも早く校内のつくりを覚えたほうがいいだろうと思い、オレも付き合うことにした。これが間違いだった。

「くっ、なかなか手ごわいな...」
「隊長、傷がっ」
「これくらいなんでもない。アイツを倒すためならな...」
「隊長...」
「はっ、まさか初めて会ったときは思いもしなかったぜ。お前らと...憎んでたはずのお前たちとこんな風に一緒に戦うなんてな」
「...」
お前らもう、想像力養う必要なくね!?そう思うくらい、壮大なストーリーだった。翔は隊長、オレとアリアはその部下。今はもう少しで魔王城にたどり着くというところで、それまでの激しい戦いのせいでほかの仲間は戦死。残ったのは3人だけで、オレとアリアは翔の家族を殺した組織の幹部の血縁らしい。それで、いろいろあって、最近やっと仲良くなったってとこだったのにこんな状況に...っていうことらしい。
わかったから、図書室の前で騒ぐな。無駄にいい声で過去を振り返るな、なんでそんなに演技うまいんだよ!?オレが恥ずかしくてしょうがないんだよ!!

そんなこんなで、オレだけ死ぬほど恥ずかしい思いをして、上級生や教師の哀れみの目に耐えながら、例の螺旋階段の前まで来た。そこはちょうど魔王城にありそうな階段で、いろいろすっとばして魔王城にたどり着いてしまった。さっきまで森で低級悪魔と戦っていたはずなのに。
「ここを上りきれば、魔王が...」
「長い道のりでしたね...これで、最後の戦いです」
「...」
「オレ、この戦いが終わったらさ、一回村に戻ろうと思うんだよね」
それ、立派な死亡フラグじゃないか?
「私も、そうします。レイラや、ミラにちゃんと報告しないと。魔王のこと、この戦争のこと。」
レイラとミラって誰!?
「残念だが、それはできないだろうな。何故なら、お前たちはここで死ぬからだっ!!」
もっと誰!?顔を上げると、螺旋階段の真ん中あたりに、腰まである黒い髪を無造作に垂らした凛々しい顔立ちの少女がいた。
「お前...何者だ!?」
「知らない人にもそのノリで話しかけるのやめろ!!」
しかし、少女のほうがものすごくノリノリ...ノリノリノリノリなくらいだった。
「私は、ルシフェル...かっこ、本名霧崎雷華、かっことじ...魔界最強の四大悪魔の一人」
「!?なんだとっ...」
「生きてたんだ...どこまでも邪魔するつもりなんだね」
「当たり前だ。魔王様の命令だからな。退く気はないぞ」
「そんなの、俺たちだって一緒だ。皆のためにも、お前たちを倒す!!」
「手加減しないよ!覚悟してよね!」
「え、お前ら「こら、何してるんだ!!!下校時刻はもうとっくに過ぎてるぞ!」
「「「やばっ」」」


「ってなことがあって、オレは入学早々先生に目ぇつけられる羽目になった」
『大変だったんですねぇ』
「楽しかったけどな〜」
「あぁ、とても楽しかった」
「お前らはな。オレは見ててすっごく恥ずかしかった」
「そうだろうな。わかるよ」
『いいですね、なんか。学校生活、楽しそうです!』
「ふふっ。これからよろしくな、yuria」
「わかんないことあったらいえよ、教えてやるから!」
「翔に何か教えられることなんてあるのか?」
「ひどっ!」
「はははっ!」

昼休み終了のチャイムがなった。新しい仲間が増えて、オレの学校生活はますます忙しく、たのしくなりそうだった。