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Re: 超高性能アンドロイド、拾いました ( No.31 )
日時: 2012/09/27 19:30
名前: カルマ (ID: 4pBYKdI8)

⑭お邪魔します

学校に向かう直前。隣に住むOL、水野さんにこんなことを頼まれた。
「明日から社員旅行なの。さすがにリィ君連れてくわけには行かないから...あの石頭め...ハゲで石頭で使えないデブとかw救いようがないわね。まぁ、そんなわけで」
「水野さん、心の声が全部漏れてますよ」
多分、上司か誰かのことなんだろうけど、かなり嫌っているっぽい。
「リィ君、預かってくれないかしら。明日から3連休でしょう?月曜日には帰ってくるから」
「わかりました。yuriaもいるし大丈夫ですよ」
「ありがとう。さっすが京介君!あとね、できれば...」
「どうかしましたか?」
「んー、お祭りのこと。リィ君ちょっと引き摺ってるみたいなのよね。あなたたちの前では、何もわかってないフリしてたみたいで、本心はすっごく傷ついてるみたい。私もいろいろ言ってみたんだけど、京介君もさりげなーくでいいから、元気付けてあげてほしいの」
お祭り。射的の鉄砲を凶器にして、おっさんと屋台を吹っ飛ばしてしまったRio。あの時はにこにこと、無邪気に笑っていたが...
「...わかりました。それとなくは話してみます」
「ホントありがとう。お土産買ってくるから、期待しててね。」

「ってことで、明日からRioがうちに三日間泊まりにくる」
「ん〜、やっぱ気にしてんだ」
朝の教室での会話。翔はあの祭りのときに一緒にいたし、翔自身明るくて気さくなタイプなので、何かいい励まし方を教えてもらおうと思ったのだ。
「yuriaの弟か。どんなやつなんだ?」
『いい子ですよ。ただちょっと、使い方のわからないものを使うと凶器になっちゃう能力があるだけで』
「え、それ怖いんだけど」
「本人は気にしてるみたいなんだって。で、いい励ましかたないかな、と。」
「そだな〜」
翔もオレもyuriaも、雷華も琴羽も一緒になって考える。少しの沈黙の後、翔がそうだっ!!と顔を輝かせた。
「オレも泊まりに行くぜっ☆」
「は?」
「多分悩んでるとしたらさ、そんな能力持ってる自分が怖いとか、周りに嫌われないか、とかだと思うんだよな。でも、そんなん気にしなくって良いって少しでも多くの人の人に触れさせて、思わせるべきだと思うんだ」
翔にしては正論だし、長い台詞だ。真剣さが伝わってくる。頼む、とうなずきかけたとき、
「ほう、それは名案だな。いいだろう、私も行く」
雷華までこう言い出した。
「雷華」
琴羽がたしなめるように視線をやっても
「もう決定事項だ。私も、行く。yuriaの弟のことなら、私も元気付けてあげたい」
と力強く言った。彼女はバドミントン部主将を務めているだけあって、自分にかかわる者のことをいつだって気にかけている。
こうなった雷華はもう、何を言っても聞かない。琴羽もあきれたようにため息をついた。
「わかった。せっかくだから、琴羽も来いよ」
「あぁ...そうするよ。」
雷華がなにやらかすか、心配だしね。オレにしか聞こえないような小さな声で言って、苦笑した。


翌日。9時きっかりにチャイムが鳴り響いた。
『お姉ちゃん、お客さんだよ〜』
『はい』
「「「お邪魔しまーす」」」
3人の声が元気よく響いた。Rioは初対面の人に面食らっているようだが、励ますことができるだろうか?



引き摺ります、夏休みネタ^^;お泊り会、始まりますよ〜