コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 超高性能アンドロイド、拾いました ( No.37 )
- 日時: 2012/10/05 18:33
- 名前: カルマ (ID: 4pBYKdI8)
⑲後日談
月曜日。
「リィ君、ただいま!!」
Rioの姿を見るなり、水野さんはRioに抱きついた。
『おかえり、志保姉』
ぎゅーっと、一通りRioを堪能した後、
「京介君、ありがとうね。これお土産ーって、あれ、yuriaちゃんはともかく、ライちゃんとコトちゃんと翔君もいる。皆で泊まったの?」
「はい、そうです」
「いい加減コトちゃんてやめてもらえませんか?」
珍しく琴羽が怒っている。琴羽の怒りはとても静かなもので、下手をすれば気づかないこともある。が、オレや雷華にはわかる。周囲の温度が少し下がるのだ。
「いいじゃない、コトちゃん女顔なんだもの」
訂正。少しどころではない、オレの部屋が凍るかと思った。そして、それに少しも怖気づかない水野さんは本当に凄いと思う、心から。雷華でさえぶるっと震えたのに。
「そんなふてくされた顔しないの。かわいい顔が台無しよ〜?」
「...」
この人すごいな!?ふて腐れた顔の琴羽の頬を、指でツンとつついて、ふふっ、と笑った。
「...コロス」
「琴羽、駄目だ耐えるんだ!」
雷華が必死でなだめても冷気が治まる気配は一向に無く、琴羽が女顔を本当に気にしているとわかった。そして、琴羽に女顔は禁句だと言うことがわかった。
「うーん、お土産なんだけど。京介とyuriaちゃんの分しかないのよ。」
一応、これと言って渡されたのは箱入りのお菓子と、木刀。...木刀。修学旅行のお土産か!?まぁ、社員旅行だから似たようなもの...じゃないだろう。
「お菓子、皆で分けてね。じゃあ、リィ君帰ろっか」
『うん。ばいばい、皆』
「じゃあなRio。隣なんだからいつでも遊びにこいよ」
『といっても、昼間は学校にいるのであまり遊べませんが』
「オレ達も帰るか〜」
翔が伸びをしながら言った。
「そうだな。邪魔したな、京介。運命の糸に導かれるまま、明日を迎えることができたなら、あの場所でまた会おう(また明日な)」
「お、おう...また明日」
いつもの事ながら若干引いてしまうのは仕方が無い。
「お泊り会、楽しかったよ。お邪魔しました」
琴羽もいつもの琴羽に戻ったようで、にこりと笑ってくれた。
皆を外で見送ってから、家の中に戻ると妙に静かに感じて少し寂しくなった。
「またやろうな、お泊まり会」
『はい。またやりたいです』
yuriaの表情は少しだけ柔らかく見えた。
「リィ君、楽しかった?」
『うん!志保姉、僕ね...』
「ん?」
『友達ができたんだ!』
「そう。良かったわねぇ。お祝いに、今日はハンバーグよ」
『ホント!?やったぁ!!』
「ふふっ」
本当に良かった。心からの笑顔で笑うRioに、志保はただそう思ったのだった。