コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を見つけに。 ( No.10 )
- 日時: 2012/08/27 17:35
- 名前: リア (ID: Uj9lR0Ik)
そして、ようやく凛を星空研究部室内へと運び終えた俺らはぐったりとした。
そりゃそうだろう。
男を持ち上げるなんて、女子にしては相当な重労働だ。
「はぁ〜、疲れた。凛って身長も結構あるから重いよな。」
俺がその辺にあった適当な椅子に腰掛けながらそう言うと、斉藤先輩が答えた。
「もし、それを美紀ちゃんに向かって言ってたら殺してたのに。」
「本当に、斉藤先輩、刑務所行きそうで怖いです。」
「何て言いましたか?」
斉藤先輩が座っていた椅子から立ち上がってスカートのポケットに手を突っ込んだので、俺慌てて
「いえ、なんでもないです。」
と答えた。
というか、そういえば、なんで斉藤先輩は俺が神谷先輩を恋愛対象と見たと分かったのだろうか?
「そういえば、先輩。」
「ん?何かしら?」
「どうして俺が神谷先輩を恋愛対象と見たとわかったんですか?」
「あ、今認めたのかしら?」
「あ、いえいえ。その・・・か、仮定の話です。」
あっぶねーーー。
さっきの言葉を否定してなかったら喉元掻っ切られてあっという間にあの世行きだったな。
「そうねぇ〜、長年の勘ってやつです。」
「そ、そうなんですか。へぇ〜。・・・というか、何で斉藤先輩はそんなに神谷先輩のこと好きなんですか?」
「な、あなた・・・それ本気で言ってるの!?」
「え?ええ、まあ。」
「美紀ちゃんの可愛さが分からないとはあなた、可哀想ね。あの娘はね、クールそうに見えるけど、心を開いた人には甘えてくるの。そのギャップとったらもう可愛くて!!それでね?好きなものはショートケーキなの!!可愛いでしょ!?しかも・・・」
これ以上はもう聞かないことにした。
斉藤先輩は今も神谷先輩のことを熱く語っている。
まぁ、それほど好きなんだろう。
「詰まる所、先輩は神谷先輩と付き合いたいんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいえ。」
「それじゃあ、なんで近付こうとする男子を殺すような勢いで追い払ってるんですか?」
「ん〜、そうねぇ〜。付き合いたくはないけど、私が信用して男子意外には渡したくないの。」
・・・斉藤先輩、あなたはどこの父親ですか。
あなたに決める権利はないでしょう?
神谷先輩に自由をあげてください。
恋する自由を・・・
「ちょっと、何で黙ってるのですか?」
「え?あ、いや、なんでもないです。」
「話が噛みあってないわ。まぁ、いいわ。・・・まぁ、あなたは悪そうな人ではなさそうだし、この部活に入るのを許可するわ。」
えーっと、斉藤先輩って部長じゃないですよね?
なんで、斉藤先輩が俺の入部を認めるとかどうとか・・・と言ってるんでしょうか?
本当に謎な人だ。
しかし、まぁ、認めてもらえたということで、一応礼を言っておかねば。
「ありがとうございます。」
俺が頭を下げながらそう言うと、斉藤先輩のほうから手を差し出した。
俺はそれを握ってた。
「よろしくです。って私自己紹介してませんでしたね。」
「えぇ。いきなり斬りつけようとしたんで。」
「何かおっしゃいましたか?」
「いえ。」
「そうですか。私の名前は斉藤奈々です。斉藤先輩でもいいし、奈々先輩でもいいわ。」
「分かりました。それでは今までどおり斉藤先輩で。」
「如月君、あなたの名前は名乗らなくていいです。知ってますので。」
なんかその言い方、微妙に傷つくんですけど・・・。
でも、斉藤先輩は怖いからなるべく抗わないようにしないとな。
「は、はい。」
そう思い、そう言った。
すると、さっきまで黙って俺たちの会話を聞いていた可愛いツンデレ女の子が少々驚いたように俺に尋ねる。
「あんたも如月って名前なの?」
「あぁ。そういや、お前の名前聞いてねーな。なんて言うんだ?」
「篠原美香よ。好きなように呼んで頂戴。」
「そうか。それなら美香と呼ぼうかn・・・うぐ」
いきなり顔面に上靴を投げつけられた。
俺はわけが分からず、ひりひりする鼻を押さえて呆然としていた。
すると、いきなり篠原は顔を真っ赤にしながら
「あたしのことを美、美香って呼ぶことが出来るのは・・・その・・・如月君だけなんだから!!」
と言った。
俺はさらに呆然とした。
だって俺も如月だよ?
だったらなぜ上靴を投げられたんだ?
この女、わけが分からん。
「いや、俺も如月なんだが・・・。」
「・・・あ・・・」
俺は篠原にそう言うと、篠原は顔を真っ赤にして俯いた。
そして、数秒経ってから口を開いた。
「・・・如月に免じて美香と呼ぶのを許すわ・・・」
俺は少々耳をう疑った。
え?なんでかって?
そんなの分かるだろう?
さっきまであんなに拒否ってた美香がいきなり許可するとか言うんだから。