コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.117 )
- 日時: 2012/10/28 12:53
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
「お、儷くんに凛くん、やっと来たな。遅刻の罰でも受けていたのか?」
神谷先輩がまたも気絶しそうなくらいの美しい笑顔で俺たちに尋ねてきた。
俺は半分夢心地のような気分でその問いに答えた。
「はい・・・教室掃除を。」
「あー、君たちの担任は掃除になぜか拘りを持っているからなー。させそうだ。」
「本当あいつの掃除への拘りは以上ですよー。もう、本当に何で今日、こんなに運が悪かったんだろ・・・。」
俺がそんなことを呟きながら肩を落とし、話す気も失せていると、凛が喋り始めた。
「実はですねー、俺たちのクラスでは俺たち以外に13人も遅刻してたらしく、しかも言い訳も皆同じだったということで担任がキレてたんですよ。そこへ俺たち登場で・・・それで俺たちが代表として罰を受けさせられたんです。本当に散々でしたけど、やっぱ嘘はよくないですよね。」
「まあな。嘘を吐いたらそれなりの罰は下されるな。例えば・・・そうだな、罪悪感とか。」
神谷先輩がそう言った瞬間、凛の肩がピクリと反応し、何かにおびえるような表情になった。
しかし、神谷先輩は凛の反応に気付かないのか、そのまま言葉を続ける。
「罪悪感ほど精神を痛めつけるものはないからな。やはり罪悪感は罰なのだろうな。他に何があるかな?凛くんは思いつくか?」
神谷先輩がそう言いながら、凛の方を向いた。
しかし、いつもの明るい凛が黒いオーラを発していることに気付き、心配し始めた。
「おい?大丈夫か?」
「え?あ、はい。大丈夫です、ちょっと嫌なことを思い出してしまって。」
「・・・そうか。君の過去に何があったかは知らないが、いずれにしても私も無神経だったな。すまない。」
「いえ、神谷先輩が誤ることなんてないですよ。俺が勝手に思い出して勝手に沈んでるだけですから。」
「そうか。それじゃあ、今の会話はなかったことにしよう。その方がお互いのためだろう?」
「はい、そうですね。」
「よし、これで決まりだ。それじゃあ、部員全員揃ったということで、重大発表をする。」
神谷先輩がそう言った瞬間、さっきまではダラダラしていた部員たちが背筋を伸ばし、神谷先輩の声に耳を傾けた。
そして、いよいよ神谷先輩の口が開かれた。
「明日の星空観察会で、本音大会を行う!」
その瞬間部員全員(俺と安藤先輩、神谷先輩を除く)の頭上に、はてなマークが浮かんだ。
それを察してか神谷先輩が説明を加え始めた。
「本音大会と言うのは、今誰かに不満に思っていることがあれば、それをその人にぶつけたり、自分の重い過去を皆で共有してもらいたい、と思ったことを話したりする大会のことだ。」
神谷先輩がそう言った瞬間、質問が殺到した。
「どうしてそんなのする必要があるんですか?」
「別に今の状況でも全然問題ないと思うんですけど、どうしてそんなことするんですか?」
「自分の重い過去を他人と共有しても仕方がないと思うんだけど・・・」
「不満をぶつけたら、精神がその人ずたずたになっちゃうと思うんですけど。」
そして、だいたい言いたいことを言い終えたのか、だんだんと静かになっていき、やがて沈黙が訪れた。
あまりにも静かすぎるので誰ももう発言しないだろうと思えたその時、口を開いたのは意外な事にも、神谷先輩でもなく斉藤先輩だった。
「私はその大会に賛成ですよ?」