コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.126 )
- 日時: 2012/11/08 21:21
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
「俺が今日、勇気と協力者を連れて帰ってきてやる。」
「え・・・?それってどういう・・・?」
「まぁー、そのまんまの意味だ。」
「その意味が分かんないんじゃんかー!教えてよー!」
そう言いながら、唯が俺に近寄ってきて、顔を寄せた。
妹と言えども、やはり一人の女なので・・・。
はぁー、何で俺は妹なんかにドキッとしてんだよ。
意味不明だ、自分!!
「もー、何も言ってくれないんだね!分かった。今日、彼氏と持ち直したら今言わなかったことを言わなくてもいいよ。」
「なぜそんなに上から目線なんだよ。」
「・・・ごめんなさい。」
「謝ってほしかったわけじゃなかったんだけど。まぁ、いいか。そういうわけだから、安心してろって、唯。」
「うん・・・。」
「何でそういう凹んだ顔するんだよ。ほら、お前は笑ってる方が可愛いんだよ。」
俺がそう言いながら、唯の頬を引っ張った。
すると、唯が顔を真っ赤にして怒り始めた。
「お兄ちゃんの馬鹿ぁ——!!馬鹿兄!!」
「俺は別に馬鹿じゃない!」
「だーかーらー、そういう何気に冷静な対応を取るところが馬鹿なの!!妹心をちゃんと掴めてない証拠だよ!!」
唯はそう言って、俺の部屋から扉も締めずに出て行った。
しかし、すぐに戻ってきて、俺が何事だと思って顔をあげると、ユイが不貞腐れながら
「お、おはよう。」
と言って去って行った。
なんだあいつ?
「まぁ、放って置こう。とりあえずだ、今からは寝れねーし、そろそろ起きたことにするか。」
独り言を呟きながら、スリッパを履いて唯が開けっ放しにした扉を通り、階段を下りて行った。
「あら!儷ちゃん、起きたの?おはよう」
階段を下りきると、飽きるほど聞きなれた声が俺に話しかけてきた。
母さんだ。
「あ、おはよ。ちょっと目が覚めてさ。」
「そっかぁ・・・」
幾分か母さんが肩を落としたのを俺は見逃さなかった。
きっと”あの人”と派手にできないことを心の底では残念がっているのだろう。
まぁ、悪事を働いた罰だな。
あれ?意外と俺ってSなのか?
俺がそんなことを考えていると、先ほどまでは肩を落としていたのに、もう心の方を立て直したのかあの明るい、いつもの母さんに戻っていた。
「まぁ、早起きはいいことよ!朝食は食パンだから自分で焼いて食べて頂戴。母さんは・・・洗濯してくるから。」
明らか言い訳を考えていたような素振りを見せたが、俺は何も気づかなかった母の言いなりの少年を演じた。
まぁ、このまま”それ”を続けるつもりはないが。
「わかった。」
そう言って俺はリビングへと向かった。
そして、リビングに入る一歩手前で俺は聞いてしまったのだ。
母さんが俺が完全にリビングに入ってしまい、声が聞こえないと安心したときに出た言葉を。
「早く離婚したいな。そうすれば、こんなに縮こまりながらやらなくてもよくなるのに・・・。」