コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.127 )
- 日時: 2012/11/09 17:12
- 名前: リア (ID: iTHoKTwe)
「早く離婚したいな。そうすればこんなに縮こまりながらやらなくてもよくなるのに・・・。」
俺はこの言葉を聞いた瞬間、息をすることを忘れ、意識が遠のいていた。
そして、数秒後ようやく意識を取り戻し、息をしていないことに気付き、慌ててリビングに入って息をした。
「げほげほっ!すーはー、すーはー、ふー・・・」
俺は息を整えるように深呼吸を2、3度繰り返した。
そして、大分息が整った頃に、食卓につき、食パンを焼いて食べた。
食べ終わった皿はそのまま残し、焼いた2枚目の食パンをその皿にのせる。
飲み物はさすがに俺が飲んだ後のを飲みたくは無いだろうから、ちゃんと洗っていつも飲んでいるジュースを再びそれに入れた。
え?一体誰の分の朝食かって?
そりゃ、決まってるだろう?
妹の唯の朝食だ。
何せ、母さんの中ではこの家に唯が居ない設定になっているので、堂々と朝食を食べることが出来ないのだ。
「おし、これでOKだな。後は運ぶだけと。」
俺は独り言を呟きながら皿とコップを持ち、階段へと向かった。
途中、母さん独特のスリッパを擦る音が聞こえ、慌てたが、すぐにどこかの部屋に入ったようだ。
俺はその音に安心して、目の前にある階段を上っていき、唯の部屋へと向かった。
「ちょっと、朝食を床に置かさせてもらおうか。」
母さんや唯に聞こえないように小声で呟きながら、朝食を唯の部屋の前の床に置いた。
そして、コンコンと2回扉をノックすると、すぐに扉が開いた。
もちろん全開ではなく、半開きだが。
ちなみにいうと、俺の家はすべての扉が内開きなため、外に何か物を置いても大丈夫なのだ。
「お兄ちゃん・・・だよね?」
「あぁ、そうあ。朝食もて来たぞー。」
「本当!?」
部屋の奥のほうで、ボソボソと呟くように喋っていた唯が”朝食”と聞いた瞬間に声の調子がガラッと変わった。
おそらく、今日はご飯は食べられないと思っていたのだろう。
つまり、唯にとっては俺からの差し入れである”朝食”は思わぬサプライズにあたるというわけだ。
「早く入って入って!」
そう言いながら、唯は部屋の外からは顔を出そうとはしないが、出来る限り扉を開けて俺を招き入れた。
「そんなに急かすなって。ジュース、零れんぞ?」
「だって早く食べたいじゃん。」
「はぁー、まあいい。とりあえず、机の上に置いて帰るからな。食べ終わったら、自分で皿持ってけよ?」
「え?唯が持ってくの?そんな危険なことを可愛い妹にさせるの?」
唯が潤目を使いながら、上目遣いでこちらを見てくる。
155センチほどしかない唯がそれを使うと、178センチと長身な俺にとってはなんというか、その・・・がっちりは嵌っちゃうくらいに可愛く見えるのだ。
「わ、分かったよ。俺が持ってってやる。食べ終わったら俺のところに持ってこい。」
「やった!ありがと、お兄ちゃん。」
「・・・そんじゃあな。」
俺はそう言って、机に朝食を持っていくのが面倒くさくなったので、唯にそのまま手渡しをして、部屋に帰っていった。
どうも俺は妹に弱いようだ。
何かと小さい頃から妹に良い様に使われているような気がする・・・。
あれ?
唯って性格よかったんじゃなかったっけ?