コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を見つけに。 ( No.14 )
- 日時: 2012/08/28 23:11
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
「それじゃあ、私の近くに来て頂戴。」
斉藤先輩がそう言ったので、俺たちは斉藤先輩の近くまで歩み寄った。
すると、先程よりほんの少しだけ小さな声で作戦を話し出した。
「第一号如月君って、白木さんのことが好きでしょう?」
まだ第一号如月君なんて呼び方してるんですか・・・。
その場限りの冗談だと思ってました。
・・・って、えっ?
凛って好きな子いんの!?
そんな話聞いたこともないよ!?
いや、まぁ、出会ってから数日しか経ってないけどさ。
そもそも白木さんって誰?
・・・と俺が色々な疑問を抱えていると、美香はなぜか悔しそうに唇を噛み締めながら
「はい・・・噂によると・・・」
と言った。
何だよ、さっきまでのテンションはどこへ行ったんだよ?
急に暗い顔になってさ。
「噂じゃないですよ。この情報。なぜなら私が語る噂はすべて真実なんですから。」
斉藤先輩は美香の暗い顔・・・というよりオーラ—もお構いなしにそう続ける。
というか、なんで真実って言えるんだよ!?
「斉藤先輩、どうして真実と言えるんですか?」
俺がそう尋ねると、斉藤先輩はドヤ顔で
「それは本人に裏付けを取ってるからよ。」
と言った。
本人がそんなに簡単に口を割るものだろうか。
いや・・・この先輩の場合常識的に考えてはならない。
校内で大砲をぶっ放してしまう・・・くらいのスケールで物事を想像していかないと・・・。
ってことは、カッターで脅したな。
「へぇ〜、やっぱすごいですね、斉藤先輩は。色々と。」
「そうでしょう?まぁ、そういうわけで真実なのです。」
「・・・って、何の話ですか?凛をどうするか話し合ってたのに、いきなり路線変更しちゃったじゃないですか。」
「あら、本当ですね。本題に戻しましょう。・・・それでですね、その第一号如月君が好きな白木さんをここに連れてきて、彼女に起こしてもらうのです。そうすれば、第一号如月君も一瞬で目をぱっちりとあけることでしょう。」
「なるほど。」
先輩にしては珍しい常識的な発言だ。
俺はてっきり、耳元にバズーカを打ち込むとか言い出すんじゃないかと思っていたんだが。
「それじゃあ、それでいいんじゃないですか、斉藤先輩。美香もいいだろ?」
俺が同意を求めるように言うと、美香は弱弱しく頷いただけだった。
先程までの彼女なら
「あたしに同意何て求めてるんじゃないわよ!!勝手に決めなさい!!」
と言っていただろうが、今の彼女は本当に生きる気力を無くしたような、ただの抜け殻のような感じだ。
そういえば、凛に好きな子がいるって話になって急に美香の様子がおかしくなったんだよな?
ってことは、もしかして美香って・・・凛のことが・・・。
そう思って結論がもうすぐ出るというところで、斉藤先輩に美香と共に腕を引っ張られ、星空研究部室を無理矢理退室させられた。
どうやら、隣の教室、『第二音楽室』へ向かってるようだ。
「斉藤先輩、白木さんのところに行くんじゃないんですか?」
「だから、今行ってるじゃないですか。」
「へ?だってそこは第二音楽室ですよ?」
「そうよ。それが何か?」
「それが何かって言われても・・・」
俺が返答に困っていると、斉藤先輩は引っ張っていた俺の腕を放し、くるりとこちらを向いた。
そして斉藤先輩はこういった。
「白木さんは音楽部に所属しているんですよ?」