コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.144 )
- 日時: 2012/11/25 16:18
- 名前: リア (ID: fhP2fUVm)
「しませんよ!何で罰ゲームに命賭けなきゃいけないんですか!そもそも3分遅刻くらい、電車の誤差ですよ。」
「うわ〜!儷様、同じ男として見損ないましたよ!電車の所為にするなんて・・・」
「亮、お前、自分が一体どういう立場なのか分かっているのか?」
「は!すみません!つい、心の中の言葉が・・・」
「そっちの方がもっと性質が悪い!はぁ・・・もういい。行きましょう。」
「あ、怒った怒ったぁ〜!凛くんが怒ったぁ〜!」
「え?俺は別に怒ってねぇーぞ?南。」
「あれ?どうして儷くんが反応するのぉ?」
「え?俺がもしや儷っていう設定?」
「設定?」
「凛、南は俺が凛だと思い込んでいるんだ。」
「な、なるほど・・・。」
「てか、今まで散々間違えられていたのに、気付いていなかったのか?」
「え?あぁ。白木さんのことばかり考えてしまって・・・。」
「煩悩も大概にしとけよ。」
「へいへい。」
こうして、俺たちはいつものように、品宮川へと向かった。
俺と凛、そして亮が先頭を歩き、その後ろに柊と南。
そしてそのさらに後ろに、美香と斉藤先輩と神谷先輩。
で、最後尾にいるのが、安藤先輩だ。
「にしても、どうして都会からちょっと入っただけなのに、ここはこんなに空気が澄んでるんだろうなぁ?」
俺が星空を見上げながら、そう呟くと、俺の後ろにいた柊が急に喋りだした。
しかもいつものような片言ではなく、ちゃんと言葉になっていた。
しかし・・・
「あ〜、それはなぁ・・・」
関西弁だったのだ!
「というわけやねん。分かった?儷くん。」
「お、おう。」
いや、正直言って、いつもはあんまり喋らない、というか無口に近い柊が急に関西弁で喋りだしたので、驚いてほとんど柊の話を聞いてなかった。
「というか、お前、先週も先々週も星空見にここまで来たけどさ、全然喋って無かったじゃん?急にどうしたんだ?」
「急にも何もあらへんって。うち、星空見てなかったもん。今日までは。」
「どうしてだよ?」
「ん〜、なんでやろぉな?」
そう言って、柊が苦笑いをした。
その時はまだ知らなかった。
彼女が俺の質問で酷く心が締め付けられるような痛みを持っていたことも。
彼女の歩んできた道も。
「まぁ、言いたくなかったら良いんだけどよ。それにしても、本当にビビったぞ?」
「あはは〜、ごめんごめん。儷くんがあまりにも嬉しそうに星空見るもんやから、うちも見てしまったわ!もう、見ぃひんって決めてたんやけどなぁ〜。」
「・・・。」
俺は何も言えなかった。
なぜなら
彼女が、ここではない、どこか遠くを見るような目をしたから。