コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.15 )
- 日時: 2012/08/29 22:47
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
「白木さんは音楽部に所属しているんですよ?」
・・・先輩、それを早く言いましょうよ。
それを連れて行く前に言ってくれなかったから、なぜ急に第二音楽室なんかに行くんだろう・・・って思うじゃないか!!
それに、先輩の場合、様々なことを非常識的に想定しておかねば、度肝を抜かれるから、心の準備を進めていたというのに、無駄だったというわけか!!
「あ、ここだわ。」
斉藤先輩は俺の心の声なんか聞こえるはずもなく、呑気にそんなことを
言いながら、第二音楽室の扉をゆっくりと開けて行った。
俺と美香もそのあとに続いた。
「すみませーん。白木鈴さんはいらっしゃいますかー?」
先輩が笑顔でそう言う。
顔は整った顔立ちをしているので、こう笑顔で言われれば、本性を知らない奴はコロッと好きになってしまうだろう。
「鈴ちゃんがどうかしたの、奈々ちゃん?」
音楽部の部長らしき人物が俺たちの方へと向かってくる。
すると、斉藤先輩は頭を下げながら、
「ちょっとした事を解決するのに、白木さんが必要なんです。」
「そう。んー、でも残念ね。鈴ちゃんは今、用事があるかなんかで外に出て行ったところなのよ。またここに帰ってきたら、星研に知らせに行こうか?」
「あ、いえ。水木先輩の手間をかけるわけにはいかないので・・・」
「でも、事を解決するのに鈴ちゃんが必要なんでしょう?」
「えーと、まぁ、そうなんですけど、ほんっと水木先輩の手間をおかけするわけにはいかないので、自分たちで探します。」
「そっか。なんか悪いね。」
「いえ、気になさらないでください。それでは、失礼いたしましたー。」
斉藤先輩はそう言って、俺たちを外に放り出してから第二音楽室の扉を閉めた。
というか、斉藤先輩が大人しく頭を下げていることなど滅多にないぞ!?
今のはレアシーンだな。
携帯で撮影しておくべきだった。
・・・と俺が心の中で残念がっていると、斉藤先輩は「白木さんを探し出さなくてはいけませんね!!」と意気込んで再び俺たちの腕を掴んだ。
そして俺たちは、斉藤先輩に付いて行かなくてはいけなくなった。
「ったく、その白木って奴はどこにいんだよー?もう、30分は探したぞー?」
俺がぐったりしながらそう言う。
すると、美香が呆れた顔で俺を見ながら
「まだ、10分も経ってないわよ!!ほら、男なんだからちゃっちゃと歩きなさいよ!!」
といつもの調子に戻っていた。
俺はその様子に安堵しながらも、それは口に出さないことにした。
出したところで、「いきなり何よ!?気持ち悪いわ!!」とか「何人を観察してるわけ?変態!!」とかロクなことを言われそうにないからだ。
「あー、もうどっかで告白されてんじゃないの?それで返事に困ってるとかさー。」
俺が適当にそれを言うと、俺と美香の先頭を歩いていた斉藤先輩が級に立ち止まってこちらを向いた。
俺は今度は何事か、と思って身構えたがその必要はなかった。
「そうだわ!!それよれーくん!!きっと白木さんは告白されてるんだわ!!噂によると今までに15人に告白されたことがあるらしいし!!」
「いや、先輩が言う”噂”は既に俺たちが言う”噂”ではないですよ。もう、真実の域に達してますから。」
俺が冷静にそう突っ込むとあっさりスルーされた。
そう、俺にとって一番これが心に響くのだ。
あー、もう俺立ち直れないかも・・・。
「告白と言えば・・・屋上!!屋上に行きましょう!!」
斉藤先輩はそう言って、屋上へと続く階段の方へと向かった。
俺はへし折れた心を抱えながら、斉藤先輩の後を追った。