コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.156 )
- 日時: 2012/11/30 18:29
- 名前: リア (ID: mJV9X4jr)
「やっぱり、佳奈、あたし達に何か隠してるんでしょう?誰にも言わないからあたし達に言ってみて。」
美香が南の背中を右手で支えながら、優しく語りかけた。
すると、南は涙をポロポロと零して
「私が悪いだけだから・・・」
と言って、走り去ってしまった。
俺たちなら走って追いつくことも出来たが、俺たちは唖然としてしまって、南を追いかけることが出来なかった。
いつもニコニコして明るかったあの南にあんなにたくさんの涙を流させてしまう出来事とは一体何なのか・・・。
見当もつかない。
手がかりになるものは、最後に南が残していった”私が悪いだけだから・・・”だ。
しかし、それだけでは一体何を指しているのかは分からない。
交友関係で悩んでいるだけなのかもしれないし、それ以外のことで悩んでいるのかもしれない・・・。
可能性をあげれば山ほどある。
しかし、俺は南の様子からして、直感してしまった。
だが、この直感は証拠のないものであり、そしてそれが本当だとすると最悪なので、そうでないことを望みたいのだが・・・。
「ねぇ、れーくん?」
「ん?何だ?」
俺は先程の姿勢から1ミリも動かずに、美香の声にこたえる。
「絶対、佳奈、何か隠してるよね?」
「だろうな。凛もそう思うだろ?」
俺はそこでようやく先程の姿勢を崩し、凛の方を向いた。
「あぁ。しかも俺が痩せ細った、と言った時に反応したということは・・・」
「えぇ。可能性があるわね。探りを入れてみないと分からないけど。」
「でも、どうやって探りを入れるんだよ?」
「そりゃあ・・・押しかける、とか?」
「無いな。それは絶対に無いな。」
「ちょっと、れーくん、そんなに否定しないでよね!今のは、そうよ!適当よ!適当を真に受けないで頂戴!」
「あー、はいはい。」
「うぐっ!何かあしらわれた気が・・・」
「気のせいだって。それにしても、どうする?」
俺が2人の顔を見ながらそう言うと、凛が口を開いた。
「俺なら、弁当の時間を観察したり、下校の時に尾行したりするかな?」
「おぉ!さすが凛!篠原とは違うな!」
「ちょっとそれ、どういう意味よ!」
「いや、そのまんまの意味だ。って、そんなことより、それで行こうじゃないか!下校時の尾行はちょっと無理にせよ、弁当の時間なら美香、お前いけるんじゃないか?」
俺の嫌味に対して、文句を言っていた美香だが、俺がそう話題を振ると、不服そうではありながらも
「えぇ。いけるわ。」
と答えた。
こうして、俺たちは南を監察することにしたのだ。