コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.165 )
- 日時: 2012/12/21 21:11
- 名前: リア (ID: TVgEc44v)
「な、何言ってんだよ?殴られるのが当然だぁ?何間違った価値観持ってんだよ!?どんな理由であろうと、人が負傷するくらい暴行を加えたらいけないだろ!!そして、それは立派な・・・!」
「立派な?」
「立派な・・・虐待だ」
「・・・」
俺がそう言った途端、南は俯いて黙りこくった。
そして、数秒後不意に顔を上げた。
今度は何を言われるんだ?と警戒しているといつもの南に戻っていた。
「なぁーんちゃって!驚いたぁ?」
「・・・は?」
「これ、今の私のお芝居なのぉ!びっくりした?」
「び、びっくりしたも何も本気にしたじゃねーか!」
「あはは、ごめんねぇ〜。ちょっと凛くんをあっといわせて見ようと思って」
「台本、一人で考えてきてたのか?」
「まあね〜。それよりさ!早く学校行こ!遅刻しちゃう!」
そう言って、南は俺の手を引きながら学校へ一直線に走り出した。
その時の南にはもう先ほどの瞳をしておらず、本当に芝居だったんじゃないかと疑ってしまうほどだった。
でも、あれが芝居じゃなかったと立証する確かな事実がある。
そう、俺の名前を知っていたという所だ。
あんなに訂正しても間違えていた南が一人で台本を作って、”凛くん”を”儷くん”に変えられるはずが無い。
つまり、先ほどの獰猛な感じの性格が本来の南の性格といえるのだ。
あー、一体南はどうしちまったんだろうか?
いや、その原因は分かっている。
虐待からのストレスが抑えきれなくなって、俺にぶつけてきたんだ。
このままじゃ、ストレスで自律神経やらなんやらがぶっ壊れてしまう。
早いところ手を打たないと。
そして、そんなことを考えているうちに、学校に到着した。
完全なる遅刻だ。
通り過ぎる教室、すべてがSHRを始めている。
あー、また居残り掃除か、と思いつつ、いや今回は許してくれるかも?という甘い考えを抱きながら教室に入ると、担任の怒声が聞こえてきた。
「如月儷!また、お前は遅刻か!懲りない奴め。そんなに罰を与えて欲しいか・・・」
「いや、誰もそんなことは・・・」
「よーし、今回の罰は俺の雑務をこなす事だ!いいなぁ?はい、拒否権は無い。取り敢えず、座れ!」
あー、めちゃくちゃな担任め!確かに俺が遅刻したのも悪いけど、これは深い事情があってだな・・・!
俺が怒りを抑えきれずに教室の入り口に突っ立ったままで居ると、担任が急に優しげな声を出した。
「如月。言いたいことはわかってる。後で、聞く。南のことだろ?」
「・・・はい」
「だったら、今は座れ」
「はい」
俺は素直に担任の指示に従った。
それにしてもなぜ、担任が南の親が虐待していることを知っているのだろうか?
謎は深まるばかりだ。