コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.183 )
日時: 2013/04/07 17:37
名前: リア (ID: 4mXaqJWJ)

「よー!ダブル如月!今日も二人そろって遅刻か?仲良いなー」


俺たちが教室に着くころには既にホームルームも終わっており、クラスメイト達が俺たちの周りに群がった。


「ダブル如月、ってお前・・・。言うの面倒くさかっただけだろ」


俺がそう言うと、俺に一番初めに話しかけてきた男子がニヤッとして違うぞ、と言った。


「え?他に何かあるっけ?」

「いや、ただ俺がお前たちの下の名前をいまいち認識できていないだけだ」

「そっちのほうがもっと性質が悪いわ!」


俺がチョップを寸止めでやると、その男子は笑いながら


「おー、怖い怖い」


と言って、一時限目の支度へと向かった。その様子から行くと、どうやら移動教室のようだ。


「儷!一時限目、移動教室だとよ!」

「あー、そんなとこだろーと思ってたよ。行こーぜ?」

「おう」


俺たちは席について、鞄を机の傍に置くと、教科書を取り出して教室を出ようとした。

しかし、その瞬間に女子に呼び止められた。


「あのー、儷くん」

「ん?何?」


俺が回れ右をして、教室の中へと目を向けると、普通の、本当に極々普通のおさげ女子が頬を真っ赤にしながら、伏せ目がちに話しかけていた。


「え、えーっと、あの、そのぉ・・・一緒に行ってもいい?」

「え?どこへ?」

「その・・・」


その女子が口籠っていると、凛が俺の肩を叩いて、耳を貸せ、という合図を送ってきた。
俺はなんだろう、と思いながら凛の方へと耳を傾けると、


「西条、お前と一緒に移動教室まで行きたいんだってさ」

「俺と?なんで?」

「いや、それは俺が教えるべきことではない」


そう言って、凛はニヤリと笑った。
一体どういう意味だよ・・・?


「ふ〜ん」


俺はそう言って、もう一度その女子の方へと向き直った。


「別に断る理由もないしな。いいぜ?」

「いいの!?本当に!?」


その女子は俺に迫る勢いで尋ねてきたが、何を思ったのか、さらに顔を真っ赤にし、後退りした。


「あ、あ、あ、ありがと!」

「ど、どういたしまして?」


俺が首を傾げながらそう言うと、凛がふっと柔らかく微笑んで


「さぁ、お二人さん、時間だぞー」


と言って、移動教室まで強制的に生かされたのであった。
その途中、美香を見かけたのだが、呪い殺されそうな殺意が籠った目で俺とその女子を見ていた気がした。
まぁ、ちなみに付け加えておくと、凛は白木さんにワザとらしいくらいに手を大きく振り、「白木さ〜ん!」と廊下から教室に向かって手を振っていた。しかし、白木さんは男子に囲まれており、凛の努力は虚しく散った。