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Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.187 )
日時: 2013/04/20 15:53
名前: リア (ID: exZtdiuL)

「・・・言ってる意味がよくわからないんだが」
「俺も凛と同感だ」
「えーっと、ですね・・・」

ここからは話が長くなるので俺から簡単に説明させてもらおう。
もともとは、南と西条は二卵性の双子の姉妹だった。だが、ある時、父親が疾走し、子供2人を養えなくなった現在の南の母は西条のほうを養護施設へ預け、南を育てることにしたのだという。

「・・・というわけです」
「というわけねぇ?」

凛が難しそうな顔をする。
俺も全く同じような顔をしているに違いない。

「家庭事情、複雑だなぁ。おい」
「何で俺見ながら言うんだよ!」
「だってお前んところもそうだろうさ。母親浮気してたわけだし。つーか、現在進行形か?」
「なんつー、不謹慎なことを言うんだ!本人の前で」
「おっと、それはすいやせん」
「絶対思ってないだろ、なぁ?凛」
「そーんなことないよー?あ、それより話に戻ろうよ」
「っち。逃げやがったな。まぁ、しょうがない。で、西条、お前はいつそれを知ったんだ?」
「中学3年生の夏です」
「わお!去年じゃん。超最近だね」
「凛、なんか今日のお前の相手すんの、面倒だ」
「何それ!?どういう・・・」
「養護施設の方から聞きました」
「なるほどねぇ。ちなみに今も養護施設から?」
「はい。お金もないので。養護施設の方にお世話になるしかなくて」
「なるほどなるほど。で?」
「で、とは?」

西条が首を傾げる。俺も首を傾げる。凛も首を傾げる。・・・三人首傾げてパフュームです!・・・あれ?受け悪いな。

「ほら、俺たちに南のこと、聞きたくて近づいてきたんだろ?」
「あ、そのことですか!5割がたそうです」
「残りの5割は!?」

凛が興味津々そうに、西条に質問すると、西条は頬を真っ赤に染めて、

「凛くんには、その・・・関係ありません!」

と言い切った。あぁー、凛、西条怒ちゃったじゃねーか。理由はわからんが。

「と、とりあえず、今佳奈ちゃんが大変な状況下にいると聞いたので・・・。何か教えてくれませんか?」

西条が光を持った強い目で俺を見つめてくる。

「そーだなぁ、まず、南が虐待されてるのは知ってるか?」
「虐待!?あ、すみません。大きな声を出してしまって。・・・知りませんでした」
「そうか。まずそこからだな。南の話によると、南の母親は南を養うのも随分としんどくなってきているようだ」
「そんな・・・!」

西条が大きく目を見開いた。信じられない、と彼女が言葉で言わずともわかった。

「残念ながら、これは事実だ」
「で、でも、佳奈ちゃんはあんなに楽しそうにしてて、どうして私だけ捨てられたんだろうって、この学校に入ってからずっとねたみ続けてきてて、でも本当は虐待されてたとか意味わかんない!」
「待て待て。混乱するのはわかる。だけど、ちゃんと整理しようぜ?」
「・・・そうですね。儷くんの言うとおりです。取り乱してしまってすみません」

そう言って、西条は一度深呼吸をすると、元通りに戻った。

「とりあえず、今日はもう授業サボるしかねーな」
「あぁ、そうだな。儷の言うとおりだ。あの先生、テストの点数さえ取ってれば、10くれるしな」
「おう」
「え、でも、そんな悪いですよ。お二人にこんな迷惑をかけるなんて・・・」
「大丈夫だって。俺たちの話には続きがあんの」
「続き、ですか?」
「そうそう。儷が考えたとっておきの案なんだよ」
「そこに西条が入ればもっといいかもしれないな、と思って」
「おぉ!それいいね!なんだか光が見えてきたぞ!」
「そうだな!よし、そうと決まれば屋上だ。行くぞ、凛、西条」
「おう!」
「はい!」

こうして俺たち3人は屋上へと向かったのだった。