コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.194 )
- 日時: 2013/04/28 21:30
- 名前: 華憐 (ID: exZtdiuL)
こうして俺たちは今日、顧問の先生であるさーせんに全員部活を休むことを伝えてから靴箱に集合した。
「よし、皆今日は気を引き締めていくぞ!」
俺がそう言うと、皆それぞれが口々に気合を入れる言葉を言った。
そして、その後に南からの挨拶があった。
「皆さん、わざわざ私のためなんかにありがとうございます・・・。本来ならば、私自身で片付けなければならないことなのですが、やっぱり私は無力で、何もできませんでした。だから!皆さんの力をどうか私に貸してください!お願いします!」
そう言って、深々と頭を下げる南。
暫くその様子を驚いたように見ていた部員達だったが、すぐに笑顔になった。
そして、皆の気持ちを代表していうかのように、神谷先輩が口を開いた。
「南。そんなに私たちに深々と頭を下げるな」
「え・・・?」
そう言って驚いたように顔をあげた南。
「だって、私の所為で皆の気分が害されるかもしれないんですよ!?」
「それは勿論覚悟の上さ」
「だったらどうして・・・!?」
「それは、私たちが仲間だからだよ」
「なか、ま・・・」
「そうだ。仲間にそんなことをする必要はない。ただ、私たちが南を助けたいと思ってやっているだけのことだ。所謂お節介だよ」
神谷先輩は南を見ながら優しく微笑んだ。
そんな神谷先輩の笑顔を見た南は、今にも泣きだしそうな顔をしながら
「はい!」
と、今度はお辞儀をせずに、笑顔で頷いた。
「よし、そうと決まれば南の家へ直行だ。行くぞ、皆」
「はい、先輩!」
こうして俺たち星研部は神谷先輩の後に続いて、南の家に向かったのだった。
暫く歩くと、古びたアパートが見えてきた。
「南、ここか?」
神谷先輩が振り向きながら南に問うと、南はコクリと小さく頷いた。
その顔には、不安の色が浮かんでいた。
俺はそんな南の顔を見て、見過ごせるわけでもなく、南の肩を叩いて声を掛けた。
「南」
「・・・何?」
「大丈夫だ。心配すんなって。俺たちがついてる」
そう言うと、南は一瞬、驚いたように目を大きく見開いたが、すぐににっこりと笑うと
「そうだよね、ありがと!」
と言った。
「よし、それじゃあ、南自分の家へいつものように帰ってくれ」
「え、でもそこからどうしたらいいのか分かりません!」
「大丈夫だ。西条を連れて行け」
「真美ちゃん・・・?」
南はものすごく驚いたようだ。
というか、俺もものすごく驚いた。
だって。だって。だって!!
ずっと西条は南の後ろにいたんだよ!?
西条、今回の話で絶対キーパーソンでしょ!?
なのに、なんで今回の話の主人公である南が気付いてないわけ!?
本当、作者何考えてんだよ!
「ごめんね、佳奈ちゃん。勝手についてきちゃったの」
「ううん、謝ることないよ。寧ろ、こっちがお礼言いたいくらい!・・・それじゃあ、一緒についてきてくれる?」
「勿論!」
こうして、南と西条は、アパートの一室である、南の家へと向かっていった。