コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。 「麗しい先輩の物語」ついに始動! ( No.220 )
- 日時: 2013/05/11 10:21
- 名前: リア (ID: exZtdiuL)
はい、お久しぶりです!リアです!
えーっと、今回はですね、神谷先輩目線から行きたいと思います!
私は未だに男子と話すときは、手が震えだすし、足も諤々する。
だが、それを隠すように、私の口調は男のようになっていっていった…。
先程、私の靴箱の中に白い飾り気のない便箋が入っているのを見つけた。
何気なくそれを取って開いてみると、”神谷さんのことが好きです!付き合ってください!”と行の幅には似合わぬ大きな字で書かれていた。
私は咄嗟にそれを隠した。
だが、長年の付き合いである奈々には気付かれてしまったようだ。
恐らく、私が他の男と歩くのを嫌っているわけではなく、私のことを思っての発言だと思う。
そう、私の過去を知っているのは奈々だけだから…。
「美紀ちゃん?ごめんなさい」
「どうして謝るんだ?」
「だって、その、皆の前であの事を思い出すようなことを言ってしまって…」
「何言ってるんだ、奈々!そんなこと、気にするはず、ないだろ…?もう、2年も前の話、なんだ…ぞ?」
「美紀ちゃん!泣いてるじゃないですか!やっぱり!!本当にごめんなさい」
そう言って、美紀は深々とお辞儀をすると自分に罪悪感を感じてか、私から逃げるように走り去って行った。
私はと言うと、その光景を唖然と見つめた後、すぐに我に返って、辺りを見渡した。
もう、儷くんや凛くん、篠原はいないようだ。
「一体私はどれだけの間物思いにふけっていたんだ?全く情けない事だ」
そう呟いて、家に向かって歩き始めた。
家に帰ると、母親が夕食を作っている所だった。
「美紀、今日は遅かったのね。どうかしたの?」
「いや、なんでもない。ちょっと奈々と話し込んでしまって」
「そう。それじゃあ、早く制服から着替えてここに降りてきてね。もうすぐ夕食だから」
「わかった」
私は頷くと、すぐに二階へあがって自分の部屋へと向かった。
部屋へ入ると、いつも思い出すあの日の出来事。
その出来事から目を背けるように、急いでルームウェアに着替えて、部屋を後にした。
今更、考えたってしょうがない。
頭では分かってる。
でも思い出してしまうんだ。
今でも鮮明に覚えている。
エアコンから流れ出す冷たくて心地の良い風。
それを微笑みながら一緒に感じる私と私の大切な人。
窓から見える眩しすぎて見えない、燃え盛る太陽。
風鈴の音。
何もかもが昨日のように思い出される。
でも、これは2年前の話。
そして、これを知ってるのは私と奈々と当時の私の大切な人だけ。