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Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.23 )
日時: 2012/11/04 12:25
名前: リア (ID: SsOklNqw)

「儷様、僕も付いて行きますよ!!」

「儷、お前だけ紳士ぶるのはちょっとずるいんじゃね?」


亮と凛はそう言いながら、俺に笑いかけた。

俺はそれに答えるために、精一杯の笑顔で


「おう!!」


と言った。

そして、南を連れて、亮と凛と俺とで保健室へ向かうことになった。


「ったく、南って入部当時から怪我とかドジばっかだよな〜。」


凛が頭の後ろで手を組みながらそう言う。

すると、南は自慢気に笑いながら


「私にはそれくらいしかないからね〜!!!」


と笑った。

俺たちも釣られて笑ったが、心のどこかで何かが引っ掛かった。

しかし、俺はそう考えていたことを、3歩歩けば忘れてしまった。

基本、俺は必要ないと判断したものはすぐに忘れる主義だからだ。


「あ、そろそろなんじゃね?保健室。微妙にだけど”保健室”ってプレートが見える。」

「え?凛くん、見えるんですかっ!?」


亮が驚いたような声で、凛にそう言う。

どうやら、凛は目がいいらしい。

確認のため、視力はどれくらいなんだ、と聞くと驚きの回答が返ってきた。


「2.0だけど?え?無いの?儷、視力、2.0無いの?」


・・・なんかその言い方ムカつくんだが・・・。

てか、2.0なんてスゲーな、凛。

俺は1.5だ。これでも中学校の頃は学年1目が良かったんだが・・・。

屈辱を味わった気分だ。


「無い。悪かったな。」

「いや、悪いとかそういうんじゃねーけど、ただ無いんだなー、と思って。」

「あぁ。」


俺と凛の短い会話が終わると、重い空気が流れた。

しかし、ちょうどその時に保健室に着いたので、俺たちは幾分か救われた気分だった。


「すいませーん、先生いらっしゃいますかー?」


俺が先陣を切ってそう言うと、カーテンが掛かっている奥の方から人影が現れて、俺たちの目の前に現れたのだが・・・


「あ、先生!!実はこいつが・・・って、お前先生じゃないな?」


そう、俺たちの前に現れたのは保健室の先生じゃなかったのだ。

思い切り、俺たちの学校の制服を来た、南と同じくらいの身長の女子がそこに立っていた。


「先生じゃ、ない。私、代理。」


その少女はもはや言葉ではない、単語でそう言った。

というか、よくよく見ると美人だぞ?


「あ、愛ちゃん!!鼻血出しちゃったから、ちょっと詰めるやつか何かある?もしあったら欲しいんだけど・・・。」

「わかった。」


南は知り合いのような口調でそう言い、愛と呼ばれたその美少女は軽く頷き、再びカーテンが掛かっているの奥へと向かった。

そして、奥の方で、ガチャガチャと音がしてから数秒後、再びあの少女がカーテンが掛かっている奥から出てきた。


「佳奈、奥。」


どうやら”佳奈、奥に入って。”と愛と呼ばれた少女は言ったようだ。

俺はその言葉を理解するのに数秒かかったが、南は一瞬で分かったようで、カーテンが掛かっている奥の方へと入って行った。

扉の前に残された俺たちは押し黙ってしまった。

俺は慌てて話題を変えようと、さっきの少女は一体何なのか、ということを尋ねることにした。


「あ、あのさ、さっきの愛って呼ばれてた子いるじゃん?あの子、誰?」

「あー、あの子も星研部所属だよ。」

「え?あ、そーなのか。」

「あぁ。」

「にしても、不思議な感じの子だな。まさにミステリアスだ。」

「でも、あいつ美人だからそれがまた良いんじゃねーか。」

「まあな。でも、俺初めて見た。単語で喋る女子。」

「あ、僕もです。初めて話した時は驚きました。主語とか述語とか抜けてて、言葉を理解するのに少々時間がかかりました。」


亮はそう言って、ドヤ顔をしたが、愛と呼ばれた少女はきっとお前には言われたくないだろうな、と思った。

勿論、口には出さないが。いや、出せないが。


「そうなのか。フルネームでは何て言うんだ?」

「柊愛。」


凛が即答でそう言う。

凛、即答だったな。白木さんの次に好きな女子なのか?

俺がそう思った矢先、凛の口からまさにそのようなことが言われた。







「柊は、俺の中でBEST2になってるからな。」