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Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.26 )
日時: 2012/09/09 17:47
名前: リア (ID: SsOklNqw)

「はーはーはーはー」

「けほっ!!はーはーはーはー」


俺と神谷先輩は息切れした状態で星研部室に駆け込んだため、言葉はそれしか出てこない。

星研部に残っていた斉藤先輩、安藤先輩はこちらを見て不思議そうな顔をしている。

・・・って、さっきまであんなに爆睡していた安藤先輩がなんで起きてるんだ!!

少なくとも俺が扉を開け放った時は起きていなかった。

ということは、つまり、神谷先輩が俺の後ろに続いて入ってきた瞬間に起きたということだ。

んー、なんか理由があるのか?

・・・と俺が考えていると、斉藤先輩がすごい勢いで、こちらに向かってきた。


「美紀ちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!」


・・・これが斉藤先輩の本性ですか?

全然今までの行動から想像がつきませんでした。

自分で”溺愛”と言う言葉を使うくらいに神谷先輩のことを溺愛していたのは粗方予想はついていたが、これほどまで態度が変わるとは思ってもみなかった。


「あ、奈々。」


神谷先輩は少しも驚かずにそう言う。

てか、温度差有りすぎじゃね?


「もう、美紀ちゃーん!!会いたかったんですから——!!体育委員会、そんなに長かったのですか?体育委員会の顧問って誰でしたっけ?」


斉藤先輩がそう言いながら、神谷先輩に抱きつく。

神谷先輩はそんな斉藤先輩を宥めるように頭を撫でている。


「白崎だよ。」

「己、白崎!!今からでも首を取りに行ってやる!!」

「斉藤先輩!!それは駄目ですって!!」


ようやく息切れから解放された俺が神谷先輩の腕からすり抜けて、扉を開け放とうとしている斉藤先輩の体を抱きつくような形で抑えた。

あれ?抱きつくような形・・・?


「・・・。」


斉藤先輩が無言で俺を睨みつけてくるんですが。

これは死を意味しているんでしょうか?

もしや、悪魔の微笑み?

いや、微笑んでいないからそれは違うかって、このままじゃ本当に殺されるよ!!!


「・・・れーくん?」


俺が慌てて星研部室の扉に手を掛けようとしていると、すぐ後ろから斉藤先輩の声が聞こえた。


「は、はい!?」


俺はそう言いながら、くるりと体の向きを変え、斉藤先輩と向き合うような形になった。


「私に抱きつくとは、随分と良い度胸をしていらっしゃるのですねー?」

「え、あ、その、えーっと・・・」

「あら、口ごもらなくてもいいのよ?今、楽にしてあげますから。」


そう言いながら、斉藤先輩はスカートのポケットからカッターを取出し、俺の首筋にそれをあてた。


「ひー、あの本当にごめんなさい!!先生を殺してはいけないと思い、つい・・・」

「・・・。」


斉藤先輩は俺がそう言ってもまだ無言のままカッターを俺の首筋にあてている。


「本当にごめんなさい。本当に悪気は・・・」


俺がそう言いかけたところで、俺の目の前にあった扉が急に開いた。


「儷!!今、お前を殺しに・・・って、あれ?儷じゃん。てか、俺に殺されるより先に本当に殺されそうな状況じゃね?」


そう言って、キョトンとした表情の持ち主は・・・凛だった。