コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.27 )
- 日時: 2012/09/08 12:00
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
「儷!!今、お前を殺しに・・・って、あれ?儷じゃん。てか、俺に殺されるより先に本当に殺されそうな状況じゃね?」
そう言いながら、凛はキョトンとした顔をした。
俺は藁にも縋る気持ちで、凛に抱きついた。
男が男に抱きつくというある意味レアな絵が完成している。
ちなみに、まだ俺の首筋にはカッターがあてられている。
「凛——!!助けてくれ!!マジでさっきのことは謝るからさ!!ごめん!!本当にすまなかった!!」
「んー、どうしよっかなー?それじゃあ、儷が白木さんを好きにならないと約束してくれたら、助けてあげてもいいかもなー?」
凛はそう言いながら、ニヤニヤしている。
ったく、こいつの性格を疑う・・・。
女子には物凄い紳士的な態度を取っている癖に、恋になると奥手なんだな。
こいつのことだから、あっさり告白しちゃうんじゃねーか、と思っていたんだが。
というか、俺が白木さんを好きになることはない。
白木さんは美少女だし、仕草も気取ってなくて可愛らしいが、俺の好みは・・・違うんだよ!!
「わかった。白木さんを好きにはならない!!だから、助けてくれ!!」
「よし、分かった!!それじゃあ、儷、南をお姫様抱っこしろ!!」
「はい!!」
俺は凛に言われた通り、凛の後ろに立っていた南をお姫様抱っこをした。
ちらりと、横目で斉藤先輩を見ると顔を伏せたまま今も尚、俺の首筋にカッターをあてている。
逸れのお蔭で、南をお姫様抱っこするときに、首を掻っ切られないように気を付けていたから、ヤバいほど神経遣ったんですけど。
「よし、それが出来たら、回れ右して斉藤先輩の方へ向き直れ!」
「はい!!って、ええ?嫌だ!!絶対嫌だ!!回れ右したら、俺は絶対に死ぬって!!だって、カッターが俺の右側にあるんだよ!?凛、俺を殺す気か!!」
「わー、ごめんごめん。それじゃあ、回れ左!!」
「はい!」
俺はその命令に従い、回れ左をした。
すると、首筋からカッターの冷たい感覚が一瞬消えた。
そして、再び斉藤先輩と向き合う形で対面すると、またしても同じところにカッターをあてられた。
って、俺どんだけ部活で冷や汗掻けばいいんだ!?
もう、手とかヤバいかも。
南、制服を汗で汚してしまったらすまん。
「それじゃあ、そのまま南を斉藤先輩に押し付ける!!」
「はい!!」
俺は凛に言われた通り、斉藤先輩の胸辺りに南を押し付けた。
すると、見る見るうちに斉藤先輩の頬が紅潮していった。
俺は焦った。
怒らせてしまったのではないかと。
間接的ではあるが、胸に触れてしまった、と解釈されたのではないかと思った。
そう解釈されたら、俺は一巻の終わりだ。
俺は本当の”死”を覚悟した。
しかし、次の瞬間驚くべき事が起こった。
なんと、南を抱き寄せながら、俺にあてていたカッターを下ろし、俺にも抱きついてきたのだ。