コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.31 )
- 日時: 2012/09/08 23:34
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
「皆、いい知らせと悪い知らせがあるの!!」
・・・この女性は・・・もしや”さーせん”?
「あ、さーせん!!」
「指田先生!!」
「あ、SSS(トリプルエス)だ———!!」
部員がその女性を見て、口々にそう言う。
そこで、俺はこの女性が”さーせん”であることを確信した。
別に、”さーせん”というのは謝っているわけではなく、列記としたあだ名だ。
この女性の名前は、指田章子。
高校1年の理科、物理担当だ。
年齢は・・・あ、ヤバい。こっち睨んでるで年齢は控える。
「はいはい、私は別にムービースターでも何でもないんだから、一々登場するだけで騒がないの。まったく、私の美貌が仇になるなんて・・・」
「誰もそんなこと言ってませんよ。自意識過剰だな、先生。」
うお!!勇者登場!!
女性に向かってそんなことを言える強者がこの星研部内に居たのか!?
それは一体誰だ・・・って安藤先輩!?
「あら、安藤君じゃない!!女性にそんなことを言うなんて身の程知らずね。」
「そうすか?んー、ただ単に俺は思ったことを言ったまでで・・・」
「それが一番汚いのよ!!」
そう言って、さーせんは声を荒げた。
しかし、すぐに咳払いをして、落ち着きを取り戻した。
「コホン。えー、いい知らせから聞きたい?それとも悪い知らせから聞きたい?神谷ちゃん、決めていいわよ。」
「え?私が?んー、それじゃあ、悪い知らせからで。」
「りょーかい!!んーとね、悪い知らせというのは、この部活が半年後に廃部になってしまうかもしれないってことよ!!」
「「「「「「「・・・は?」」」」」」」
「だから、そのまんまの意味じゃない。廃部になるかもしれないの!」
俺たちは一斉に固まった。
もう一度寝ようとしていた安藤先輩も枕を抱え、寝かけた状態で静止している。
って、案外安藤先輩器用なんだな。
てか、腹筋辛そうだぞ?
だって、あの状態だぞ?あの寝かけた状態。
一番腹筋遣う体制だよ、あれ。
・・・ってこんな話をしている場合じゃない!!
「さーせん、それはどういうことですか?半年後には必ず廃部になるってことなんですか?次の生徒会会議で俺たちの生命は燃え尽きると?」
「あら、新人君の如月君。・・・あれ?如月君って確か2人居たわよね?それじゃあ、儷くんと呼ぶわ。儷くん、そういうわけじゃないのよ。」
「つまり、それはどういうことですか?」
「つまり、それがいい知らせの方なのよ。」
「ほう。」
「いい知らせというのは、この部活を廃部にさせないための方法があるってことよ。」
「ほう。で、さーせん、それは何なんですか?」
「それはね・・・新たな星を見つけることよ!!」
「「「「「「「・・・無理ですね」」」」」」」
「妙なところでハモらないの!」
「いや、全然妙じゃないと思いますけど?」
凛がすかさず、突っ込みを入れるがあっさりスルーされる。
「まぁ、無理とか言わずにやってみてよー!!私の顧問人生にも関わってくる重大な事なのよー?」
顧問人生ってなんですか、それ。
「ここの顧問、特にすることもなかったから、楽でよかったのにー。」
あ、そういうことですか。
顧問人生なんて言う言い片たするから、もっと重大なことかと思ったけど、やっぱ重要じゃなかったわけだな。
うん、さーせんに”重要”とか”緊張”とかそういう系の類の言葉は似あわない。
「まぁ、そういうわけだから、頑張って頂戴。私も応援してるから!」
そう言って、放心状態の俺たちを置いて、さーせんは星研部室を後にした。
てか、かなり無茶させる先生だな、おい。
星なんてそんな簡単に見つけられるもんじゃねーんだぞ?
色々な仮定をして、そこから方角を導き出して・・・ってやらなきゃいけねーんだよ?
それを高校生なんぞにできるわけがないだろう?
もう少し、学校の方も真面目に考えてほしいものだ。
あ、そうか。
学校はここの部活を潰したいから、そんな無理難題を押し付けてきたんだ。
なるほど。そういうことか。
それなら、絶対に潰したくなくなってきた。
こうなったら意地でも、新たな星を見つけてやる!!
どんな科学者でも見つけられなかったような、物凄い星を!!
「皆の集!!新たな星を見つけてやろうじゃないか!!」