コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.46 )
- 日時: 2012/11/27 23:37
- 名前: リア (ID: fhP2fUVm)
「ただいまー。」
俺が無愛想な顔で星研部室の扉を開けると、そこには全員が集合していた。
皆は俺の後ろにいた美香を見て、安心したような表情になりながら
「「「「「「「おかえりー」」」」」」」
と言った。
「お?全員揃ってんのか?」
「えぇ、そうですよ。はぁー、今度こんなことしたら、美香ちゃん、私がクラスまで押しかけますよ?」
斉藤先輩が頬を膨らませる素振りを見せながら、美香に詰め寄る。
美香は数歩後ろに下がりながら、
「す、すみません・・・。」
と言った。
すると、斉藤先輩は先程南にしたように、美香にも抱きついた。
「え?な、奈々先輩?」
「もー、私をこれ以上心配させないでください。分かりましたか?」
「はい。」
・・・失礼ですが、先輩。
美香は部活動中はこの校内から出るようなマネはしないと思うんですが。
てか、どこまで保護者面してんだよ!!
神谷先輩にもそんなこと言ってたし・・・。
はぁー、母性は時には凶器になるんだなー。
「それじゃあ、皆で集団下校をしましょう。さぁ、カバンを皆さん持ってください!!」
斉藤先輩は美香を離し、手を「ぱんぱん!!」と叩きながら俺たちにそう指示する。
俺たちはその指示に従い、それぞれ自分のカバンを持った。
「ん?皆持てました?それじゃあ、帰りますよー。」
そう言って、斉藤先輩は星研部室の扉を開け放った。
そして、斉藤先輩が出て行ったのを見てから、次々と部員が星研部室を退室していく。
俺もその波に乗りながら退室した。
「はー、今日は一日目だったけど、激動の一日だったぜ。」
俺は靴箱へ向かいながら、隣に居る凛にそう話しかける。
すると、凛も笑いながら
「あー、俺もだ。俺もまだ入部して数日だからなー。こんな一日は初めてだよ。いきなり半年後までに新たな星を見付けないと廃部になりますー、なんて言われてもピンと来ねーよな?」
と俺に同意を求めた。
俺も縦に首を振りながら
「あぁ。まったくだ。」
と答えた。
そして、俺たちが違う話題に移ろうとしたときに、靴箱へ着いた。
俺たちは上履きから運動靴に履き替えた。
「あー、寒ー。これ、コート着たい。」
俺が履き終えた靴のつま先を地面でトントンと叩くようにしながら、独り言のようにつぶやくと、それを聞いていたらしい凛が相槌を打つ。
「あぁ。でも、コート着ていい時期は過ぎてるようだし・・・。明日からはセーターでも持ってこようかな?部活帰りの時だけ着る・・・みたいな?」
「お、凛ナイス!!それいいな!!俺もそうしよ!!」
俺は手をポンとたたくと、その後に同じ”ポン”という音が聞こえた。
・・・誰と被ったんだ?
「そうでした!!私、れーくんに言おうと思ってた言葉を忘れてました!!」
どうやら、斉藤先輩と被ったようだ。
てか、何?その言葉って!
物凄い怖いんですけど。
気温の問題じゃない”寒さ”が背中のあたりに・・・
「コホン。れーくん、ちょっとこちらに来てください。あ、皆さんも。」
斉藤先輩は2年生の靴箱の方へと1年生の俺らを招いた。
「えー、既にあの言葉を聞いた人はもうお察しのことと存じます。それでは、一斉のーで、で言いますよ?一斉のーで!!」
「「「「「「「「ようこそ!!星空研究部へ!!」」」」」」」」
皆が見事に声を揃えてそう言った。
俺は感動を覚えながら、
「ありがとうございます!!」
と一言お礼を言い、お辞儀した。
すると、凛が声を掛けてきた。
「やっと、お前も”入部”出来たな。」
俺は最初その意味が分からなかったが、数秒後に理解した。
最初は皆・・・主に斉藤先輩や美香に受け入れられていなかったが、今はこうして受け入れてもらえている。
これを凛は”入部”と置き換えたのだろう。
「おう!!」
俺はそう言いながら、最上級の笑顔を浮かべた。
ちなみに南は案の定、頭の上にはてなマークを浮かべていたが。
第一話 完