コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: あの星を探しに。(ラノベ風) ( No.56 )
- 日時: 2012/09/17 18:17
- 名前: リア (ID: SsOklNqw)
案外、45分という時間は長いな。
この部員と一緒にいると、一瞬で45分なんて過ぎてしまうのに・・・。
俺は、そう思いながら、ちらりと時計を見る。
まだ15分しか経っていない。5時30分だ。
あと15分もある。
「あー、なんか落ち着かねー。」
俺がそう言いながら、近くにあった適当な椅子に座った瞬間、先程までは長椅子で寝ていた安藤先輩が急にむくりと起き上がった。
しかし、俺以外の部員は驚いた様子がない。
つまり日常茶飯事と言うことなのだろう。
安藤先輩は・・・物音に敏感なのか?
「あー、邪魔されたー。まぁ、いいや。十分寝たし。あ、そーだ!!新人君!!ちょっとこっちに来てくれないか?」
安藤先輩が起き上がった時の状態を維持しながら、俺にそう言った。
俺は頭の上にはてなマークを浮かべながら、言われた通り、安藤先輩のところまで行った。
すると、急に椅子から立ち上がって、よく斉藤先輩が「ガールズトークするから、男子は入室禁止です!!」とか言って俺たちを中に入れてくれない例のカーテンが掛かってる奥の部屋に入って行った。
今日は珍しく、斉藤先輩が使っていないらしい。
なぜだろうか・・・?
「ふー、ここまで来れば大丈夫かなー?まぁ、いいや。どうせ小さい声でしか話さないし。」
「・・・先輩、おrじゃないや、僕は・・・」
「あー、俺でいいよ。」
「すみません。それじゃあ俺でいきます。先輩、俺は何のためにここに呼び出されたんでしょうか?」
「あ、それは今から説明するよ。ちょっと耳を貸して。」
「はい。」
俺はまた頭の上にはてなマークを浮かべながら、耳を貸した。
すると、本当に安藤先輩は小さな声で耳打ちした。
「実は、俺は神谷のことが好きなんだ。それで、恋愛相談をしたいわけだよ。」
俺はそれに大きく頷きながら
「なるほど。」
と小さな声で返事した。
その返事を聞いてか、安藤先輩はいくらか嬉しそうな顔をしたが、数秒後には真剣な顔つきになっていた。
「で、恋愛相談ってのは、神谷をどうやって落とせばいいか・・・ってことなんだよ。」
「んー、なるほど。神谷先輩は、手強そうですよね。”付き合ってください!”って言っても”何に付き合えばいいのだ?”って返ってきそうですよね。」
「なんとなくだが、分かる。」
「まぁ、要するにああいうタイプの人には素直に伝えるのが一番と言うことですよ。」
「つまり・・・”好きです!!交際してください!!”みたいな感じで言えということか?」
「あー、そんな感じです。交際してくださいがやはり彼女にはいいでしょう。」
「そうだな。ち、ちなみに聞くが、時期とかってあるのか?」
「時期ですか?んー、そうですね・・・盛り上がってるときとかの方が成功率が高いだろうから、体育祭や文化祭等が終了したその日とかはいかがでしょう?」
「なるほど。それはいいな。それじゃあ、せっかくの”休み時間”を邪魔して悪かったな。戻っていい・・・」
「あ、そういえば!!」
「ん?他にも告白に効果的な情報があるのか?」
「はい。確か、下の名前で呼びながら告白すると成功率が上がるらしいです。実際にテレビ局が統計を取ってたみたいなので、真実だと思いますよ。」
「おー!!それじゃあ、下の名前で告白する。よーし、これで告白対策は万全だ。あとは時期を待つのみ!!それじゃあ、ありがとなー。」
そう言って、先輩はそのカーテンのかかった部屋で寝始めた。
俺は半分呆れながらも、そこを立ち去ることにした。
安藤先輩って、恋愛になるとあんなに真剣になるんだなー。
さっきまではダルそうに語尾伸ばして話してたのに・・・。
俺はそう思いながら何気なく時計を見た。
すると、丁度6時だった。
「うお!!ヤベ!!そんじゃあ、俺、帰ります!」
そう言いながら、俺は自分のカバンを床の上から拾い上げ、右肩に掛けて靴箱を目掛けて走った。